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大谷翔平 「本塁打40本・防御率3.00でMVPだ!」現地米国人記者3人も太鼓判
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.13 06:00 最終更新日:2021.06.13 06:00
メジャー4年めを迎えた今季、大谷翔平(26)の勢いが止まらない。4月4日のホワイトソックス戦では「2番・投手」として、米移籍後初めてとなる「投打同時出場」を果たし、驚異の活躍を見せている。
“リアル二刀流”として完全復活を遂げた大谷について、現地で取材する米国人記者3人に語り合ってもらった。
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【座談会参加者】
●ジェフ・フレッチャー氏:アナハイムの地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」の記者。メジャー取材歴22年。2013年よりエンゼルス担当
●バリー・ブルーム氏:「Sportico.com」のシニアライター。40年以上メジャーを取材し、野茂英雄のデビュー以来、ほぼすべての日本人メジャーリーガーを取材
●ジャック・ハリス氏:2019年より米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のエンゼルス番記者。アリゾナ州フェニックス出身
−−今季6試合めの登板となったインディアンス戦(5月19日)では、大谷の疲労問題が取り沙汰されました。その日のストレートの平均球速は91.3マイル(約146.9キロ)、最速は95.3マイル(約153.4キロ)でした。今季のそれまでの平均球速は96.6マイル(約155.5キロ)だったことを考えれば、球速が落ちていた印象は否めません。やはり、登板前後は休ませたほうがよいのでは、という話も出ているようですが?
バリー・ブルーム(以下、BB)「ただ、球速は次の先発の際には戻った。少し登板間隔を空けたことで戻ったともいえるが、疲労度を判断するのは難しい。たとえば、これまでも登板翌日に3三振をしたことがあった。それを『疲れていたから』と判断するのは簡単だけど、バッティングフォームの崩れが原因の可能性もある。その判断は大谷にしかできないけど、前例がないから難しい」
ジェフ・フレッチャー(以下、JF)「チームとしていちばん怖いのは故障。疲労が溜まり、それが怪我に繋がるんじゃないか、という懸念は常にある。でも、1年めは慎重に起用し、登板前後に休ませても怪我をしてしまった。若い投手が昇格してくると、最初はいろんな制限を設けるけれど、必ずしもそれが全員に当てはまるかといえばそうじゃない。大谷の場合は、制限を設けないほうがいいのでは、という考えに至ったのは理解できる」
ジャック・ハリス(以下、JH)「大谷も、そのほうがやりやすそう。彼が自分から『疲れているから休ませてくれ』と言うかどうかはわからないが、そういう体調管理も含めて自己責任というか、あれこれ指示をするよりまかせたほうがいい、という考え方は悪くない。チームに指示されたことをやった結果、怪我をした場合、やはり悔いが残るはず。自分で判断して調整すれば後悔はないだろうし、なにより強い責任感が生まれる」
−−オールスター(7月13日)に出場するかどうかの判断も、大谷の意思にまかせるべきでしょうか? 前日に開催されるホームランダービーにも選出されるのではといわれています。これは、オールスター出場選手の中から8人が選抜され、1ラウンド4分間、勝ち進めば最大3ラウンドで本塁打の本数を競うことになり、選手への負担も小さくない。もちろんオールスターでは、“二刀流”として出場する可能性もあります。
JF「その可能性はきわめて高い。そこでも当然、疲労の問題が出るだろう。ホームランダービーに選ばれれば、1ラウンドで4分間もフルスイングをしつづけることになる。それによる疲労なのか、なぜか後半戦に入って調子を崩す選手が多いことから、どのチームの監督も表立って『出ないでくれ』とは言わないが、『疲れが心配だ』とやんわり意思を伝えようとする」
BB「確かに調子を崩した選手は少なくない。マーク・トランボ、ボビー・アブレイユ、デビッド・ライトらが、後半戦に入って数字を落としたのは、ホームランダービーの影響ではないかといわれている(※)。でも、主催者側としては、大谷に出てほしいと思っているだろうね。もちろんゲームのほうでも投げて打てば、すごく盛り上がると思う」
JH「しかも今回、オールスターの会場がアトランタからデンバーに変更された。となると、高地なので打球が飛ぶ。そこで大谷が、いったいどれだけ飛ばすのか、ファンは興味をそそられるはずだ」
JF「2018年だったかな? デンバーでの大谷の打撃練習は、すごかったからね(笑)」
JH「今の流れなら、『楽しんでこい』と監督も送り出すような気がするけど、内心はどうだろう(笑)」
※マーク・トランボはエンゼルス時代の2012年、シーズン前半戦77試合で22本塁打を放ち、ホームランダービーに出場。しかし後半戦は、67試合で10本塁打に終わった。打率も.306から.227と急落。ボビー・アブレイユ(当時フィリーズ)は2005年、ホームランダービーで計41本塁打を放つ活躍を見せて優勝。ところが、前半戦は18本塁打を記録していたものの、後半戦は6本塁打に終わっている。元メッツのデビッド・ライトも、ホームランダービーに出場した1906年の前半戦は20本塁打をマークしたが、後半戦は6本塁打のみだった