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プロ野球最高のセーブ数を誇る岩瀬仁紀が「僕の記録を超えるとしたら松井裕樹」/6月16日の話
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.16 06:00 最終更新日:2021.06.16 06:00
2011年6月16日、中日ドラゴンズ(当時)の岩瀬仁紀氏が、日本プロ野球新記録となる通算287セーブを達成した。
プロ1年目から中継ぎ投手として65試合に登板。その後も “伝家の宝刀” スライダーを武器に活躍を続け、2004年、新監督となった落合博満氏(当時)から抑え投手を任される。以後、勝ち試合を締めくくるという重圧を背負いながらセーブを量産する。
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岩瀬氏本人に記録達成当時の話を聞いた。
「正直、日本新記録といっても、自分のなかではピンときていませんでした。シーズンまっただなかでしたので、感傷にひたることもなかったですね。
1年目から、数字的な目標は持ってなかったんです。毎日必死で野球をやっていて、とにかく1日を乗り切ることしか考えていなかった。シーズン前から何か目標を立てるようなことは、ほとんどなかったですね」
2018年の引退までに積み上げられた「通算407セーブ」は、日本プロ野球史における最高記録だ。岩瀬氏が、抑えという役割についてこう振り返る。
「先発ピッチャーは、好投すれば自分の手柄になります。しかし、抑えピッチャーは、結局、勝つも負けるも自分次第になってしまう。勝って当たり前だと思われるし、負けたら『何やってんだ!』って叩かれます。負けた次の日はスポーツ新聞の一面になりやすいから、なにもなく、静かに終わって欲しいと思ってましたね(笑)」
現在、野球解説者として活躍する岩瀬氏に、今後、自身の記録(407セーブ)を超える可能性のある現役選手を尋ねたところ、松井裕樹(東北楽天)の名前があがった。
「まず、松井選手は若いですよね。僕が抑えを任されはじめたのが30歳の頃だったので、(松井には)若さというアドバンテージがあります。三振もとれて、まっすぐが非常にいい。さらに、スライダーとチェンジアップという武器もあります。
ただ、抑えというポジションはひとつしかなくて、誰かに奪われたら奪い返すのが非常に難しいポジションです。難しいところはありますけど、松井選手には期待しています」
ファンからの信頼を背負いながら投げ続けた岩瀬氏。築き上げた実績は、“史上最高の守護神” の証だ。
写真・時事通信