「Different breed.(モノが違うね)」
5月12日、現代のNBAを代表するスター選手であるケビン・デュラントが、大谷翔平(26)を評してこうツイートした。
今、大谷に注目しているのは野球界だけではない。全米メディアは、大谷がNBA(バスケットボール)やNFL(アメリカンフットボール)の世界でも活躍できるのではないかと、報じ始めているのだ。
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「アメリカでは、子供のころからバスケ、アメフト、野球を掛け持ちする選手が多いんです。だから、大谷選手がそういう取り上げられ方をされても不思議ではありません」
そう語るのは、日本人として初めてNBAのコートに立ち、現在は宇都宮ブレックスに所属する田臥勇太(40)だ。
「僕も3歳から水泳を始め、現在もトレーニングに取り入れています。小学校のソフトボールクラブではキャッチャーでしたし、ほかのスポーツの経験が、バスケに生かされてきたことを実感しています」
NBA時代、田臥は他競技を経験した選手のプレーに驚嘆することがあったという。
「NBAでもブラジル出身の選手は、プレーにサッカーのステップが入ってくるんです。サンズでチームメイトだったスティーブ・ナッシュは、サッカーとアイスホッケーの経験があり、体幹がものすごく強かったですね」
田臥が一流のアスリートの条件として最初に挙げるのが体幹の強さ。大谷にはそれがあるという。
「NBAでは、大谷選手の193cmという身長は、平均よりも小型になります。しかし、走るスキルが非常に高く、フィジカルも強い。ゴールリングへと切り込んでいく姿が目に浮かびます。野球のボールを処理するときの瞬発力や、ジャンピングキャッチなどの動きは、バスケとも共通するものですから」
田臥のポジションであるポイントガードは、ボール運びやフォーメーションを統べるいわば司令塔だ。では、大谷に向いているポジションはどこだろうか。
「大谷選手は状況を見てバントヒットを狙うなど、冷静なプレーも得意ですよね。バスケでも相手の動きに対応し、自分のやれることをその場で見つけられるタイプの選手になると思います。そういう意味ではポイントガード向きですが、ほかのポジションでも、マルチにこなしていけるでしょうね」