ところが2021年1月、Mさんのもとに、岩村の代理人弁護士から、驚きの通知書が届く。それはコロナ禍で収入が減り自身の生活が苦しくなったとして、一方的に養育費の停止を通知するものだった。
「話し合う場もなく我が子の養育費を打ち切るなんて、あんまりです。それに通知書には、『養育費としてこれまで1650万円を支払った』とありますが、そんなにもらってない。途方に暮れています」(同前)
養育費問題に詳しい、あおば法律事務所の橋本智子弁護士は、こう語る。
「このケースは、典型的な養育費不払いです。Mさんが認知と養育費の支払いを求めるなら、家庭裁判所で審判または調停をおこなうことになりますが、そもそも岩村さん側の社会的地位や財産を考えれば、いくら生活が苦しいといっても、いきなり養育費を打ち切ることは認められないでしょう」
岩村の真意を球団に問い合わせると、本人から編集部に電話があった。
――Mさんとのあいだの子を認知しなかったのは、なぜですか?
「きちんとDNA鑑定を受けて認知しようという思いはあったが、延ばし延ばしにしてしまった。ただ、彼女の実家で話し合ったときの記憶は曖昧で……。自分が当事者じゃない感覚で、まともな精神状況ではなかったんです」
――スター選手だったあなたが、1円も養育費を払えないとは信じがたいのですが……。
「すでに1600万円を支払いましたし、コロナ禍で球団も融資頼りの危うい財務状況で……。報酬がゼロの月もありました。もとから僕が浪費家なこともあり、貯蓄を切り崩しながらの毎日で、自分の生活もまわらず、定期的な支払いが難しくなってしまいました」
――奥さんとの仲は?
「2019年3月に離婚が成立しました。……もちろん隠し子報道が原因です」
岩村はそう、苦境を訴えた。
「今は東北復興のためにもと、自分の報酬を返上して頑張っています。彼女とも、あらためて話すべきかもしれませんね……」
“金の切れ目が縁の切れ目” というが、切っても切れないのが、親子の縁ではなかろうか――。