’12年の球界を振り返ると、オフから話題を独占してきたのが、新生横浜DeNA監督に就任した中畑清(58)だ。サービス精神でつねに舞台の主役を張っていた。シーズンが始まるまでは…。結果は大方の予想通り、ダントツの5年連続最下位。初監督の苦悩と来季の覚悟を語った。
「監督に就任してからマスコミがバンバン取り上げてくれて、何をやっても1面。楽しかったねぇ。いざ開幕したらオマエのとこなんか鼻くそだぞって、相手はみんな思ってたろうね(笑)。しかし、4月があそこまで苦しい戦いになるとは思わなかった。あのころはこれは100敗するな、もう100敗しちゃえばいいじゃんと、自分に言い聞かせるようになったよ」
序盤から、期待の若手も4番ラミレスもどん底に。我慢との戦いだった。「自分がどこまで我慢していけるのか、そのなかでチームはどこまで成長するのかと自問自答の連続で、すごく葛藤があった。目先の1勝よりも種まき。我慢して若い選手に経験を積ませたことは先行投資になったと思う」
ストレス発散は酒とお喋り。夜な夜な”クラブキヨシ”をオープンした。「いちばん助かったのは、寝てて夢を見なくなったこと。酒の力も借りまくったけどね。宿舎で裏方とか選手とかが集まってきて、酒飲みながら楽しく会話を交わしてさ。テーブルがクラブキヨシになってたんだ(笑)」
ドラフト会議でも期待を裏切らず、オーバーアクションで会場を沸かせた。「やっぱり盛り上げたくなるんだよ。言っとくけど(指名には)オレひと言も口出してないんだよ。でも、ドラフトはみんな即戦力で獲ってるから、来年フタ開けたら面白いチームになると思うよ」
そして来季は最下位脱出ではなく、CS進出(3位以内)に進退をかける。「来季は自分の野球人生をかけてやる。その答えはCSに行くことだけ。来年はもっと厳しくやるし、口も出す。コーチを育てるなんて格好つけたことを言ってられない。まだ自分が育ってないんだからさ(笑)」
球団は松坂大輔や松井秀喜も獲得に乗り出しているという。来年こそ、風を巻き起こせ!
(週刊FLASH2012年11月20日号)