「各球団ともPCR検査を受け、10人近いスカウトを甲子園球場に送り込んでいます。でも、ほとんどまだ試合を見られておらず、まさに踏んだり蹴ったりですよ」
セ・リーグ某球団のスカウト部長はこう嘆く。コロナ禍で出場辞退に追い込まれた強豪校があるのに加え、西日本の大雨で試合の中止、順延が続出。お目当ての選手のプレーを見られずにいるのだ。
【関連記事:甲子園準V投手に不倫トラブル…巨人入りも果たした “沖縄の英雄” が美人女優と泥沼の訴訟合戦に】
予想外の事態のなか、2年ぶり開催の夏の甲子園にも逸材と評される選手はいる。プロ野球のみならず、MLBのスカウトも、本命の「特Aランク」をつけた投手がノースアジア大明桜の風間球打(きゅうた)だ。
「182cmのスラッとした体型。直球は最速157km/hと、今大会ナンバーワンでしょう。速球が低めに決まれば、打者は手が出せません。変化球でカウントが取れるのも強み。タイプ的にはロッテの佐々木朗希ですね」(セ・リーグのスカウトA氏。以下、セA)
パ・リーグのスカウトA氏(以下、パA)も「まっすぐの威力、腕の振りはすでにプロレベル。プロ1年めからローテーションに入る可能性も十分ある。ダルビッシュ有に雰囲気が似ている」と期待する。
またメジャーのスカウトは、その投球法に注目する。
「マサカリ投法ではないけど、真上から振り下ろしてくる。高い位置、腰から上で投げているような感じで、荒々しさがあって好きなタイプ。スケールが大きいので、その独特の投げ方で変化球に磨きをかければ、今まで見たことのない球が投げられると思います」
風間は四兄弟の三男で、長男は球道、次男は球星、四男は球志良(きゅうしろう)と兄弟全員の名前に「球」の字がつくという、まさに野球をするために生まれてきたような投手でもある。
続いて「Aランク」で名が挙がった投手は数名いる。まず大阪桐蔭の松浦慶斗。
「最速150km/hの速球で押し込める。スライダー、カーブ、スプリット、ツーシームと変化球も多彩。タイプはオリックスの山岡泰輔」(セA)
「馬力のある大型左腕。名門育ちで野球勘が鋭い」(パ・リーグスカウトB氏。以下、パB)
前出のメジャースカウトは、北海の木村大成を推す。
「プロ好みの投手。左で勢いのある球を投げるし、完成度も高い。中日の大野雄大の若いころに似ていたんですが、急に滑らかに投げるようになりましたね。また広島新庄の花田侑樹は、腕がよく振れ、スピンの効いた球が投げられる。変化球のキレもよく、ソフトバンクの東浜巨(なお)タイプですね」
そのほか専大松戸の深沢鳳介(おうすけ)を「Aランク」とする声も。
写真・馬詰雅浩
(週刊FLASH 2021年9月7日号)