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甲子園で見つけた “金の卵” 野手編/スイング鋭い田村俊介はセンスの塊
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.28 06:00 最終更新日:2021.08.28 06:00
■「二刀流」「打てる捕手」が豊作
コロナ禍で出場辞退に追い込まれた強豪校があるのに加え、西日本の大雨で試合の中止、順延が続出。今年の甲子園では、スカウトがお目当ての選手のプレーを見られずにいるという。
予想外の事態だが、2年ぶり開催の夏の甲子園にも逸材と評される選手はいる。
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野手で真っ先に名前が挙がったのが「Aランク」の2人だ。
「愛工大名電の田村俊介は投手、一塁、外野もこなし、左利きながら三塁も守るセンスの塊。投手としては140km/h前後の速球を内外角に投げ分け、技術的な完成度と肉体的なポテンシャルの高さが備わった選手。打撃は逆方向に器用に打つうまさがあるし、スイングも鋭い。また、イケメンと評判で、プロに入れば女性ファンが多くつくはず。
もう一人は前橋育英の皆川岳飛(がくと)。投げては145km/hの速球をコントロールよく内外角に投げ込む。打撃は、フルスイングで広角に長打できる技術を持つ。際どい球をカットでファウルにするバットコントロールにも優れている」(パ・リーグスカウトA氏。以下、パA)
“二刀流” ということで、大谷翔平と姿がダブるが……。
「大谷は例外。スケールが違いすぎる(笑)。メジャーで40本打つ選手なんて規格外です」(前出・メジャースカウト)
そして、大阪桐蔭の池田陵真も注目度が高い。
「172cmと小柄だがスピードと瞬発力のある選手。スイングの強さは、今年の右の強打者のなかでもトップクラス」(セ・リーグスカウトA氏。以下、セA)
メジャースカウトも、池田に惚れ込む。
「あの打撃は本当にすごい。プロは体格のよさを望みますが、彼はボールをとらえる能力とスイングの速さがある。肩も強いし、足もそこそこ。予選で打率は6割を超えていて、本当におもしろい。
小柄かつ豪快な打撃で、オリックスの吉田正尚に似ていますが、僕は『特A』でもいいと思います。将来、メジャーでやれるのも彼だけじゃないかと思う。体は大谷とは正反対だけど、違ったスタイルの打撃で活躍すると思いますよ」
今年は打てる捕手が多いという。そのなかで名前が挙がったのが、県岐阜商の高木翔斗と西日本短大付の三宅海斗だ。
「両選手とも強いスイングができるし、勝負強い。打てる捕手はどの球団も欲しがるので、指名されるはずです」(セA)
高校通算42本塁打の智弁和歌山の徳丸天晴(てんせい)も人気株。
「パワーがあって飛距離が出る。体幹が強いので、変化球が来ても体が崩れない。肩が非常に強く、送球もいい。巨人の岡本和真タイプ」(セA)
智弁学園の前川右京も、プロ向きとの声が多かった。
「スラッガーを選ぶなら、この選手。木製バットになればさらに打つと思います。木製バットは、しなりをしっかり使って打たないといけませんが、そのスイングができている。中日の高橋周平みたいな打撃で、彼には期待したいですね」(メジャースカウト)
このなかから何人の選手がドラフトにかかるのか楽しみだが、一方でこんな意見もある。スカウト部長が語る。
「春の選抜を見たとき、すごく楽しみになりました。今年は豊作の年と感じ、このまま伸びてくれたら……と思ったから。でも予選、本大会を見てきたところ、いいと思った選手がそれほど伸びていない。やはりコロナ禍で対外試合の自粛と練習時間の短縮があったからでしょう。春から夏にかけては子供たちがもっとも伸びる時期。それがかなわなかったから、本当にコロナが憎いですよ」
残り試合は、せめて雨の中ではなく、夏の甲子園らしく太陽のもとで熱戦を演じてほしいものだ。
写真・馬詰雅浩
(週刊FLASH 2021年9月7日号)