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侍ジャパン金に導いたオリックス山本由伸「大谷翔平選手はやばすぎて、よくわかりません(笑)」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.09.03 06:00 最終更新日:2022.10.04 21:59

侍ジャパン金に導いたオリックス山本由伸「大谷翔平選手はやばすぎて、よくわかりません(笑)」

東京五輪で初戦を託された日本のエース

 

「じつは開会式当日は仙台で合宿中でしたし、閉会式も不参加。宿舎も選手村ではなく、他競技の選手との交流もできませんでした。だから五輪というよりも、野球の国際大会に出たという感じでしたね」

 

 そう語るのは、東京五輪侍ジャパンに金メダルをもたらした山本由伸投手(23)だ。コロナ禍もあって、五輪の雰囲気を満喫するまでには至らなかったのかもしれないが、本業のほうでは出色のピッチングを見せた。

 

 

 初戦のドミニカ戦と準決勝の韓国戦という重要な試合で先発をまかされた山本は、2戦で計11回1/3を投げ、自責点はわずか2。勝ち星こそつかなかったが、防御率1.59で右投手として大会ベストナインにも選出された。

 

「五輪には独特の雰囲気がありました。自分の思っているとおりには投げられませんでしたが、緊張感だったり、初対戦の相手だったり、いろんな条件を考えると、いい投球はできたのかなとは思います」

 

 栄光の金メダリストになった山本だが、その目はすでにペナントに向けられている。ここ数年の不調が嘘のように、オリックスは8月27日時点で、2位と3ゲーム差をつけてトップに立っている。

 

「投打とも、選手それぞれの能力が上がってきていることが大きい。特に4番の杉本(裕太郎)さんが実力を発揮されています。いま状態がいい選手と、すごく成長した選手が噛み合っている感じでしょうか」

 

 好調オリックスにあって、山本はまさにエースという活躍を見せている。勝ち星は同僚の宮城大弥(20)と11勝で並び、完投数、防御率、奪三振、奪三振率はトップをひた走る。

 

 その好投を維持する練習法は独特だ。陸上のやり投げやブリッジを多くこなす一方、ウエイトトレーニングはやらないという。

 

「ウエイトはいっさいやりません。これは、僕のトレーナーがすすめないからです。むしろしっかり全身を使うやり投げを教えてくれたので、それがピッチングにも生かせました。

 

 ボールを投げるだけだと小細工というか、腕だけで投げてしまったり、へんな癖がついてしまったりするので、それをなくすためにもやっています。ブリッジも体全体をしっかり使えるようになるためのトレーニングです」

 

 150kmを超える剛速球も武器にする山本には、パワーピッチャーのイメージがあるが、体格の大型化が進む近年では、身長178cmは小柄な部類に入る。それゆえ、体全体を使った投球を心がけているのだ。

 

 持ち球はストレート、カーブ、カット、スライダー、シュート、フォークの6種類。

 

「いちばん自信があるのはストレート。投げる際に気をつけているのは、強い球を投げるということ。弱い球は弾き返されてヒットになったりします。なので、コースを狙うのも重要ですが、いちばんは強い球を投げることを意識しています。

 

 変化球で自信があるのはフォークですが、この球は高めにいくとヒットや長打になってしまうので、しっかり低めに投げて、空振りさせることを狙っています」

 

 また新球の習得にも積極的で、いまはチェンジアップに挑戦中だ。

 

「チェンジアップはあまり得意じゃなくて、いろいろな人の投げ方を試していますがまだだめですね。握り方は鷲づかみや、親指と人さし指を輪にするサークルチェンジ的な握り方と、いろいろやりましたが、どれもスピードが抜け切れず苦戦しています。なんとかマスターして7つめの持ち球にしたい。やはり緩急があると幅が広がりますから」

 

 インタビューをおこなったのは8月21日の正午。前日は9回を1失点でナイターを完投。チームのサヨナラ勝ちを呼び込み、自身初となる二桁勝利となった。

 

「体調ですか? 前日はナイターで、今日はデーゲームなのでちょっと疲れているというか、筋肉痛はありますね」

 

 そこで「大谷翔平選手は同じ条件で、翌日は1番DHで出ていますが」とぶつけてみた。

 

「信じられない、やばいですね(笑)。自分に当てはめるなら、ぜんぜん想像がつかないので、『よくわかりません』のひと言です(笑)」

 

 すかさず、自身のメジャー挑戦について振ってみる。

 

「う~ん、どうでしょうね。事情もさまざまあると思うので、やっぱりそのときにどうなっているか、ですね(苦笑)」

 

 そばのカメラマンも突っ込む。
「行きたいのは東? 西?」

 

「まあ、暖かいところがいいですね。いつかはというのはありますけど、それもそのときの話ですね」

 

 話は野球以外にも及んだ。

 

「結婚願望? いま、特にしたいなという思いはありませんが、したくないわけでもありません。タイミングがあれば、という感じですね。理想の女性ですか? う~ん、カッコいい人が好きですね。とにかく何かを頑張っている人に魅力を感じます。

 

 最近、あるバラエティ番組を観ていたら、米倉涼子さんが出ていて、めちゃくちゃカッコよかったです」

 

 オリックスはパ・リーグ優勝から24年も遠ざかり、ここ6年はすべてBクラスに甘んじている。それだけに優勝への思いは強い。

 

「試合数も減ってきて、ここからあっという間にシーズンは終わってしまう。それだけに一試合一試合を大事に戦いたいと思っています」

 

 しばらくはメジャーも結婚も封印(?)し、リーグ制覇に突き進む。

 

(週刊FLASH 2021年9月14日号)

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