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審判を踏みつけたジダン、ベッカムの投げキッス…CL決勝を24年連続撮影した64歳の日本人カメラマンが語るスター選手たちの“決定的瞬間”

スポーツ 投稿日:2021.10.22 06:00FLASH編集部

審判を踏みつけたジダン、ベッカムの投げキッス…CL決勝を24年連続撮影した64歳の日本人カメラマンが語るスター選手たちの“決定的瞬間”

審判を踏みつけるジダン。「退場にはならなかったですけどね(笑)」(山田氏)

 

 山田一仁氏(64)は高校からサッカーを始め、千葉大学サッカー部では天皇杯千葉県代表の経験を持つ。

 

「サッカーを撮るうえで、プレーしていた経験はおおいに役立っていますね。ロナウドのヘディングやメッシの歓喜もそうです。
 ストライカーは点を取るために、ゴールに直結するポジションを早く取ろうとするんです。でもそうするとDFに体を寄せられたり、スペースを潰されたりすることがある。ところが、超一流といわれるストライカーは、その直結するポジションをあえて空けてDFを油断させ、いざというときに走り込むわけです。

 

 

 ロナウドなんかはまさにそうなんですよ。そこには走り込まないといったポーズをとったり、ときには歩くようにゆっくりとした仕草を見せたりする。でも、いきなりギアチェンジしてスペースに走り込むため、DFは完全に置き去りにされる。彼がなぜ、これほど多くのゴールを奪えるかがわかるシーンなんですが、やはりそれを撮れるのは、自分がサッカーを経験しているからだと思います」

 

 山田氏がより多く、スポーツ、とくにサッカーの写真を撮るようになったきっかけは英国への語学留学だった。

 

「もともとは報道カメラマンになりたかった。それで留学したんですが、留学中にルーマニア革命があり、いても立ってもいられずに現地に飛んだんです。その後、案内役の若者にふと、『1990年イタリアW杯取材パスが取れない』と話をしたら、ルーマニアサッカー協会の人を紹介してくれて。ルーマニアメディアとして取材可能になったんです」

 

 語学留学は1、2年のつもりだったが、思わぬ出会いがサッカーカメラマンへの道を切り開いた。そして、サッカーの母国・イングランドでの取材を目指す。

 

「英プレミアにEU圏外の選手が所属するには、母国の代表選手として一定の割合でプレーしていることなど、条件がとても厳しい。カメラマンも同様で実績がものをいう。僕は1998年にトライしたけど、申請が通ったのは2000年だった。そこで実績を積んだ結果、CLや欧州選手権で撮れるようになっていったんです」

 

 山田氏は写真を撮るうえで大切にしていることがある。

 

「試合、選手、監督のバックグラウンド、あるいはそこに至るまでの過程を知っておくことが大事だと思うんです。

 

 モウリーニョはインテルの監督として決勝でファン・ハール監督率いるバイエルンと対戦。彼はバルサ時代、ファン・ハール監督のもとで通訳兼コーチをしていました。その彼が監督としてCL決勝の舞台で元上司と対戦。この試合、彼が先にピッチに出てきて、ファン・ハール監督を待っていました。普通だったら“師匠”から、『よくここまで来たな』と声をかけるじゃないですか。ところが“弟子”であるはずの彼からファン・ハールに歩み寄り、ほっぺをポンポンと叩いたんですよ。それはまるで『あんたも頑張ったな』と言っているようで驚きました(笑)。まさに心理戦でしたね。試合はインテルが2対0と完勝。試合前、すでに勝負は決まっていたのかもしれません」

 

 64歳、カメラマン・カズは「日本代表」として、今なお現役で世界の一流選手達を相手に挑戦を続けている。山田さんに、サッカーカメラマン人生での“決定的瞬間”について解説してもらった。

 

●クリスティアーノ・ロナウド 「走り込む位置が決まっていた世界一打点の高いヘディング」
2016年7月6日 EURO2016準決勝 ポルトガル対ウェールズ 
@フランス・パルク・オリンピック・リヨン

 

「撮ったときは気がつかなかったけど、背景が一緒なんです。ということは、同じ位置に走り込んでヘディングしているわけですね。おそらくサインプレーで、キッカーの狙いはペナルティスポットの真上なんでしょう。あとからわかるというか、写真だとわかるプレーもあるんです」(山田氏、以下同)

 

●ジネディーヌ・ジダン「頭突き事件よりも前に審判を踏みつけていた」

2003年5月14日 チャンピオンズリーグ準決勝 ユヴェントス対レアル・マドリード
@イタリア・スタディオ・デッレ・アルピ

 

 ジダンにとってのW杯は退場に始まり、退場で終わっている。

「初出場となった1998年W杯サウジアラビア戦で相手の背中を踏みつけ、最後となった2006年ドイツ大会決勝でもイタリアのDFマテラッツィに頭突きを見舞って退場になりました。ただ、これは偶然のシチュエーションで審判を踏みつけてしまったシーンで、退場にはならなかったですけどね(笑)」

 

●リオネル・メッシ「ゴールセレブレーションはほとんど右サイドへ」

2011年5月28日 チャンピオンズリーグ決勝 バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド

@イギリス・ウェンブリースタジアム

 

「当時のメッシは右サイドを主戦場にしていて、ドリブルやワンツーなどで中に切れ込んで決めるゴールが多かった。そして喜びを表わす際にも、なぜかほとんど右サイドに行くんです(笑)。彼の試合を何度も撮影する機会があったので、予測がばっちり当たったカットですね」

 

●リオネル・メッシ「いつもクールな男の泥臭いスライディング姿」
2019年7月2日 コパアメリカ2019準決勝 ブラジル対アルゼンチン
@ブラジル・ミネイロン

 

 代表でのタイトルに縁がなかったメッシ。母国の期待を背負っての一戦で気迫あるプレーが。

「この大会のアルゼンチンはメンバー的にイマイチだったので、メッシには獅子奮迅の活躍が期待されていた。これはブラジルが自陣のペナの外あたりでボールを持っていたとき、あの守備をしないメッシがものすごいタックルをかけて、奪ってシュートを打ったカット。僕もそんなシーンを見たのは初めてで驚いたけど、その気になればできるんだと思いましたね(笑)」

 

●ゲオルゲ・ハジ「プールサイドでくつろぐ東欧のマラドーナ」
1990年6月 イタリアW杯
@ルーマニア代表滞在先ホテル

 

 1990年イタリアW杯ではルーマニア代表チームと同じホテルに宿泊。
「ハジに挨拶すると『そうか』と。すでにスーパースターだったので、そっけなかったですね(笑)」

 

●デビッド・ベッカム「スペイン移籍直前の貴公子がサポーターへ投げキッス」
2003年5月3日 プレミアリーグ マンチェスター・ユナイテッド対チャールトン
@イングランド・オールド・トラッフォード

 

「この試合でゴールを決めたわけですが、一目散にサポーターのところに行って、投げキッスまでするんです。『ずいぶん大袈裟だなあ』と思ったんですが、試合後にレアル移籍を知りました。彼にとっては別れであり、サポーターへの感謝の一発だったのでしょう。彼はハンサムで、被写体としてもいい。ずいぶん追っかけましたね」

 

●ジョゼ・モウリーニョ「当時最強と呼ばれたバルサを見事な戦術で撃破」
2010年4月28日 チャンピオンズリーグ準決勝 バルセロナ対インテル
@スペイン・カンプ・ノウ

 

 大方の予想を覆してインテルがバルサを撃破。

「勝った瞬間におそらく行くであろうサポーターの前を意識して、僕も場所を移動しました。すると、誰よりも早くモウリーニョが駆けつけたので、いい表情が撮れました。バルサ時代には通訳兼コーチでしかなかった彼が、バルサホームでは1-0で負けたものの2戦合計で決勝進出を決めたからでしょう」

 

●ファン・ダイク「このシーズン一度も抜かれなかった驚異のディフェンス」
2019年6月1日 チャンピオンズリーグ決勝 トッテナム対リバプール
@スペイン・エスタディオ・メトロポリターノ

 

“抜かれない男”は被写体としても別格の存在だった。

「彼は抜かれそうになったとき、人やボールではなく、次にボールが行きそうなところを予測して先に走る。ボールを見ながらだと、やっぱり走るのが遅くなりますから。それがファインダー越しに見る彼の視線でわかるんです。だから抜かれない。やはり生で見ることが大事です」

 

●ジャンルイジ・ブッフォン「伝説の守護神が見せたPK前の祈り」
2003年5月28日 チャンピオンズリーグ決勝 ユヴェントス対ミラン
@イングランド・オールド・トラッフォード

 

 PK戦はキッカーではなくGKに注目。

「延長突入の際、彼は味方DFに向かってグータッチで『頑張ろう!』と鼓舞した。それでPK戦の際も何かやるのではないかと。GKによってはいろんなやり方でキッカーに重圧をかけるんですが、彼は祈りでした。グータッチを見ていなかったら、撮れていなかったでしょう」

 

●山口素弘「日韓戦で生まれた伝説のループシュート」
1997年9月28日 フランスW杯アジア最終予選 日本対韓国
@日本・国立競技場

 

「ゴール裏に設置していたカメラで撮りました。撮り方はさまざまだけど、僕は有線のフットスイッチでした。だから足で撮ったようなもんなんです(笑)。彼は代表ではボランチだったけど高校ではゲームメーカーだったので、あのようなテクニカルなシュートも打てたんでしょう」

 

●久保建英「オリンピックでの力が入ったポーズは話題に」
2021年7月25日 東京オリンピック 日本対メキシコ
@日本・埼玉スタジアム

 

 グループリーグのメキシコ戦。
「堂安からのクロスはCFの林にいくと思い、久保のシュートはシャッターを押すのが遅れた。しかし、そこで諦めずに喜ぶシーンを追いかけて撮ったカット。力が入ったポーズが撮れた。だが、3位決定戦では同じメキシコに敗れて人目も憚らず号泣。勝者と敗者の残酷なまでのコントラストにつながる一枚になりました」

 

やまだかずひと 
1957年生まれ 岐阜県出身 千葉大学画像工学科を卒業し、1981年に文藝春秋入社。写真部で雑誌「Number」を中心に活躍。1989年にイギリス留学後、ロンドンを拠点にフリーランスとして活動開始。2000年、プレミアリーグの撮影ライセンスを取得した(日本人フリーランス・カメラマンとして唯一保有)。チャンピオンズリーグ決勝は1996年から24年連続(2020年はコロナ禍で撮影できなかったものの、2021年はわずか16名しかないカメラマン枠に入って撮影)、W杯は8大会連続で撮影。2008年からは「FC岐阜」のオフィシャルフォトグラファーも務めている

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