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内村航平、引退を表明…強さの秘密は「世界一の練習量」と「究極のマイペース」にあり
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.11 22:22 最終更新日:2022.01.11 22:22
プロ体操選手・内村航平(33)が現役引退を表明した。ロンドン五輪(2012)とリオデジャネイロ五輪(2016)の個人総合で連覇を果たし、世界大会で28個ものメダルを獲得するなど、華々しいキャリアを誇ったが、ついに選手生活にピリオドを打つ。
引退を決めた背景には、故障との闘いがあった。2017年の世界選手権で左足首を痛め、無念の棄権に終わる。2019年の全日本選手権では、両肩痛により予選敗退し、日本代表入りを逃した。
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痛みはその後も完治することはなく、2020年からは競技を鉄棒のみに絞ったが、今年の東京五輪でも予選敗退を喫している。
数多くのメダルを獲得してきた内村だが、リオ五輪で獲得した団体金メダルは特別なものだった。個人競技で “絶対王者” だった内村が、初めて獲った団体金メダルだからだ。
当時、本誌は、鉄棒のスペシャリストとして名を馳せていた植松鉱治氏に話を聞いている。植松氏は、2008年の全日本学生選手権の個人総合で、最後に内村に土をつけた男だ。
植松氏は、内村が輝かしい実績を生み出した理由を、世界一の練習量だと指摘し、それを支えたのは「ケガを最小限に抑える能力」だと語る。
「たとえば右肩をケガしたとする。普通は休むわけですが、驚いたことに、航平はケガした右肩の近くの筋肉をなんなく鍛えることができるのです。だからケガしたとしても、肉体が鈍ることがないし、長期離脱もない」
植松氏は、もうひとつ内村の強さの秘密を明かしている。
「航平は若いころからプレッシャーに強く、究極のマイペース。なぜ強いかといえば、試合モードに入ると、すべてをシャットアウトして集中することができるから。
人は観客の声援など雑音を気にするし、ひとつ聞こえてしまうとさらにもうひとつ、というところがある。でも、航平はそれを意図的に消し去る能力がある。そこがすごいところ。
それと、誰と会ってもまったく変わらない。たとえば僕と会うのも、時の総理と会うのも一緒(笑)。まったく動じないし、パニクっているところを見たことがない。そこも、強さの秘訣だと思います」
マイペースの内村は、偏食家でも有名だ。好物は肉と米で、野菜は嫌い。さらに、スナック菓子に目がない。そんな偏った食生活でも、人一倍練習したからこそ、成果を上げ続けることができたのだ。
( SmartFLASH )