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武田翔太や千賀滉大を “魔改造” …「選手から『嫌われてやろう』と思って」と投手コーチ明かす

スポーツ 投稿日:2022.01.16 16:00FLASH編集部

武田翔太や千賀滉大を “魔改造” …「選手から『嫌われてやろう』と思って」と投手コーチ明かす

 

「魔改造」――いまから10年ほど前、インターネットのプロ野球ファンの間で囁かれ始めた言葉である。彼らの説明を借りるなら、「魔改造」とは福岡ソフトバンクホークスの若手投手が、育成の段階で球速が10キロ以上アップするなど劇的に成長することを指す。

 

 この「魔改造」を主導するのが、ソフトバンクの元ファーム投手総括コーチで、2021年12月に『魔改造はなぜ成功するのか』(KADOKAWA)を上梓した倉野信次氏(47)である。

 

 

 武田翔太投手や育成出身の千賀滉大投手を、球界を代表する選手に育て上げたことから、その指導は「魔改造」と呼ばれるのだ。

 

 倉野氏は指導するに当たり、「伝える力」「長所を伸ばす」「成功体験」「アドバイスはシンプルに」「モチベーションを上げる」の5つを大事にしている。なかでも「伝える力」を最重要視しているという。

 

「コーチングで一番大切なのが『伝える力』だと思っています。指導力があったとしても、選手にうまく伝えることができなければ、彼らも理解できないし伸びない。なので、この『伝える力』を磨くためにいろいろ勉強しています。

 

 僕は滑舌が悪いので、滑舌教室にも通っています(笑)。やはり滑らかに話せないと、選手が6~7割しか理解してくれないこともありますから」

 

■現代の新人選手は気力、体力のレベルが圧倒的に低い

 

 倉野氏のコーチ歴は13年に及ぶが、就任当初と最近の選手では、考え方が違い、ときには戸惑うこともあるという。

 

「年々、入ってくる選手の(野球や合理的なトレーニングの)知識はレベルアップしています。ただ、実際に体を動かしてどうなのか、といえばレベルは下がっている。いまの選手の方が、昔の新人選手に比べて体力も気力も、レベルが圧倒的に低いと見ています。うまい選手は増えましたが、強い選手は減ったと思います。

 

 勝負の世界では、うまいだけじゃ勝てないんですよね。強くないと。そういう部分を僕はとくに意識して、引き出せるようなアプローチをしてきました。

 

 当然ですが、こちらが提示したプログラムに不満を持つ選手もいます。さすがに『僕はやりませ~ん』みたいな選手はいませんが、明らかな不満や、『これって何の意味があるんですか?』みたいなものって、雰囲気や行動でわかるじゃないですか。それがすごく増えましたね。

 

『なんで?』を感じている選手には、『これはこういう意図で、こういう意味を持ってやるから』と僕が直接説明します。いまの選手たちの考え方が悪いのではなくて、そういう環境で育ってきたわけだから、今度はこっちが合わせるというか、それは絶対に必要なことだと思います」

 

「伝える力」を重視し、選手と真剣に向き合うことで、その能力を伸ばしてきた倉野氏。参考にしてきた指導者はいるのだろうか。

 

「う~ん、反面教師はいますね(笑)。僕の基礎は、嫌いだったコーチという意味ではまったくないんですが、反面教師となる出来事がたくさんあって、自分がコーチになったらこういうふうにはなりたくない、という思いからきていますので。

 

 昔は『俺の言うことを聞かなければ試合に出さないぞ!』とか、『あのコーチの言うことを聞くなら、俺はもう知らん』と平気で言うコーチもいましたから。

 

 コーチ同士でいがみ合って、その間に挟まれた選手は悲惨ですよ。僕も選手で年上になったとき、若い選手から『コーチからこんなことを言われましたけど、どうしたらいいですか』と相談を受けたことがあります。そんなバカみたいな話はないですよね。

 

 でも、それが当たり前のような時代でしたから。だんだん時代が変わって、小中の教育方針、ゆとり世代も含めて変わっていって、徐々にいまのような環境になったんでしょうね。

 

 だからこそ僕は勉強しなければいけないと。いつまでも昔のような感覚のまま指導していたら、時代に取り残されてしまうと思います」

 

 影響を受けたコーチ理論もあるという。

 

「現役時代のピッチングコーチであった尾花(高夫)さんに挨拶したとき、『投手コーチになりたいなら、まず選手に好かれようと思うなよ』と言われたんです。

 

 チームメイトのコーチになると、情が出る。情が出てしまうと、本当に伝えなければいけないときに遠慮が出てしまったり、厳しく言わなければいけないときに言いづらかったりがあるわけです。

 

 なので、僕のなかでそういう感情は一切排除しようと。そのためには、尾花さんがおっしゃったように、好かれよう、という意識を持たない。そして、僕はもっと上をいって、『嫌われてやろう!』と思ったんです。その代わり、ただ嫌われるんじゃなくて、相手に対して愛情だけは持って嫌われようと思っていました。

 

 そして、最終的には選手に、こういうセリフを言ってもらいたかった。それは『倉野はむかつくけど、あの人の言うことを聞いていれば間違いないよね』といったセリフです。コーチをやって4~5年経ったとき、そういった声が聞こえてくるようになったので、すごく嬉しかったですね」

 

( SmartFLASH )

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