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広島カープ栗林良吏「疲弊した心を妻が支えてくれた」新人王獲得の裏にあった夫婦二人三脚の1年

スポーツ 投稿日:2022.01.27 06:00FLASH編集部

広島カープ栗林良吏「疲弊した心を妻が支えてくれた」新人王獲得の裏にあった夫婦二人三脚の1年

1月13日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターにて自主トレに励む

 

「自分でも想像以上の働きができたと思いますし、本当にいい方向で期待を裏切れたというか。応援してくれるファンや使ってくれる首脳陣、すべての方の予想を覆せたのかな、と思います」

 

 それはそうだろう。ルーキーイヤーながら、開幕から守護神に抜擢され、2リーグ制発足後の新人記録を大幅に更新する、デビューから22試合連続無失点をマーク。53試合に登板し、新人最多タイの37セーブを刻んだ。防御率は驚異の0.86。セーブ機会では一度の失敗もなかった。

 

 

 当然のように新人王を獲得した広島の栗林良吏(25)は、ペナントレースにとどまらず、東京五輪では日本代表の守護神として金メダル獲得にも貢献した。

 

 とはいえ、社会人野球からプロ入りした栗林は、心身ともに疲弊した時期もあったという。

 

「五輪が重なったときは確かにしんどかったですが、体のほうはトレーナーさんが助けてくれました。そして、心のほうは妻が支えてくれたというか……。僕は自分のためではなくて、家族のために野球をやっている。

 

 自分が落ち込んでいたら家族も落ち込んでしまいますからね。そういう意味では、自分一人じゃないので、心強かったです」

 

 まさに沙耶夫人(25)と二人三脚でシーズンを乗り切った。

 

「妻がいなかったら、この成績はなかったと思っています。食事面も、毎日、栄養を考えて違った料理を作ってくれました。料理は全部美味しいです。奥さんに言ってあげたいこと? まあ、この取材を通して言うことではないですが(笑)、シーズンが終わったときに『1年間支えてくれてありがとう』と伝えました。

 

 社会人時代と違って野球中心の生活になり、日常のリズムも変わりましたが、すべてそれに合わせてくれた。文句ひとつ言わず一緒に戦ってくれた1年間なので、感謝の気持ちを伝えました」

 

 セーブ機会の失敗ゼロもさることながら、防御率が0点台というのは特筆すべき成績だ。登板は僅差の場面だが、苦手な打者はいるのだろうか。

 

「打者でいえば巨人の坂本勇人さん、岡本和真でしょうね。巨人には名前も実力もすごい選手が揃ってますからね、チームとしてもイヤですね」

 

 ところで、今季は広島の顔として活躍してきた鈴木誠也(27)のメジャー移籍が確実視されているが、仮に将来、対戦するとしたらどう攻めるのか。

 

「やはり、いいバッターは内角を攻めないと勝てません。誠也さんにそこを意識させ、ちょっとでも外角を遠く感じさせるように攻めていきたいですね。

 

 大谷翔平さん? う〜ん、僕は内角を見せるというか、どちらかといえば内角でストライクを取りにいきたいと考えています。直球を打ち損じてくれたらいいかな、と思います。打ち取るというより、『打ち損じてくれ』といった感覚のほうが強いですね」

 

 そして、好成績を残すためには「オンとオフの切り替えが大事」と続ける。

 

「僕は結婚しているので、グラウンドを出れば野球のことは忘れるというか、考えません。コロナ禍もあって、家ではYouTubeを妻と一緒に見ます。よく見ているのは、流行りの『コムドット』や『東海オンエア』ですかね。

 

 あとはスマホゲームの『プロ野球スピリッツ』を一緒にやって、カープの選手を集めたりとか。2人で一緒にやれることを “おうち時間” では楽しんでいますね」

 

 さて、自主トレも順調に進み、キャンプインまで残りわずか。プロ2年めの目標は?

 

「いちばんはリーグ優勝です。抑えをまかされたなら、1年間そこで戦うことがもっとも大事だと思います。もちろんセーブ王を獲れたらいいですが、数字は自分の力だけではどうにもできない。だから、とにかく1年間、同じ役職を務め上げることを目指します。

 

 あとは、ファンの方々に喜んでいただけるような試合をたくさんすること。応援してくれる人が一人でも多く増えるように、チーム全体でやっていきたいと思っています」

 

“失敗しない男”の2年めが始まる。

 

( 週刊FLASH 2021年2月8日 )

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