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“762本塁打男”バリー・ボンズ「薬物疑惑」でついに殿堂入り果たせず…元MLB通訳が見てきた変貌の歴史

スポーツ 投稿日:2022.01.28 11:00FLASH編集部

“762本塁打男”バリー・ボンズ「薬物疑惑」でついに殿堂入り果たせず…元MLB通訳が見てきた変貌の歴史

 

 全米野球記者協会による2022年の米野球殿堂入りの結果が1月26日に発表され、MLBで歴代1位となる通算762本の本塁打を放ったバリー・ボンズ(57・元ジャイアンツ)が落選した。今回の野球殿堂の投票で選出されなかったボンズは、来年以降、記者投票の候補から外れることになった。

 

 今回、元メジャーリーグ通訳で、現MLB選手会公認代理人の小島一貴氏が、ボンズ落選の舞台裏を解説する。

 

 

 私は1996~2000年の5年間をサンフランシスコ周辺で過ごした。ボンズの年度別成績を見ると、本塁打も打ち盗塁もするという万能型選手から、本塁打を打つことを中心とする長距離打者に変貌したことがわかる。ちょうどその過渡期にあったのが、1998~2000年ごろで、私は一野球ファンながら、地元でその変貌の様子を目の当たりにすることができた。

 

 1996~1997年ごろは、ボンズはそれまでのように万能型の選手だった。1997年からインターリーグ(交流戦)が始まり、公式戦として同地区の別リーグの球団との対戦が初めておこなわれた。ボンズが所属するサンフランシスコ・ジャイアンツはナショナルリーグ西地区で、ケン・グリフィJr.がいたシアトル・マリナーズはアメリカンリーグ西地区だったため、両選手は初めて公式戦で対戦することになった。MLB屈指の万能型選手が初対戦ということで、球団もボンズとグリフィの2人を並べたポスターを観客に配るなどして大いに盛り上げていた。このころは、ボンズやグリフィのような万能型の選手が人気を博していた。

 

 風向きが変わったのは1998年、マーク・マグワイアとサミー・ソーサが年間本塁打記録を争ったあたりからだ。両選手は1961年にロジャー・マリスが記録したシーズン61本塁打を超えるペースで本塁打を量産し、66本塁打を記録したソーサをしのぐ70本塁打を放ったマグワイアが本塁打王となった。この年の本塁打記録争いの全米的な盛り上がりはすさまじく、対戦相手の球団の本拠地球場では、彼らの打撃練習が見られるように開門時間を変更したほどだった。

 

 一説によると、ボンズは自らの庭であるジャイアンツの球場で、マグワイアやソーサを見たさにファンが殺到する様子を快く思っていなかったのだという。そしてこのころからより多くの本塁打を打つべく、筋肉増強剤を使用するようになったと言われている。ただし、本人はその使用を一度も認めていない。

 

 じつは当時は気にも留めなかったのだが、1999年のキャンプで久しぶりにボンズに会ったチャーリー・ヘイズという内野手が発したコメントが、サンフランシスコの地元の新聞に載っていた。「バリーを見たか。奴はデカいぞ」という簡単なものだったのだが、当時はボンズがオフの間にトレーニングに励んだという肯定的な意味で捉えられていたように思う。ヘイズ本人もあまり悪気のないコメントだったのではないだろうか。

 

 1999年のボンズは怪我が多く102試合の出場に留まり、37本塁打を放った前年より打席数が160以上少なかったのにもかかわらず、34本の本塁打を放った。これも一説によると、筋肉増強剤を使って筋肉が急激に発達した直後は、腱や靱帯がその強度に追いつかず怪我が多くなるのだという。そして1~2年で腱、靱帯が追いついてくると怪我も少なくなり、期待どおりのパワーを発揮できるようになるというのだ。

 

 ボンズは2000年に49本塁打、2001年にはMLB記録となる73本塁打を記録し、その後の3年間も40本台の本塁打を記録した。たしかに、上記の「一説」のとおりの過程を踏みながら本塁打を量産したように見える。

 

 MLBで歴代最多となる4265安打を放ったピート・ローズは、野球賭博にかかわったことで1989年にMLBから永久追放され、当然ながら野球殿堂入りを果たしていない。そして今度は歴代最多本塁打記録を持つボンズが、10年連続で記者投票に落選し、来年以降は投票対象から外れることになってしまった。しかもボンズは、MLBで唯一「500本塁打500盗塁」を達成した選手である。MLBには400-400すら達成者はいない。なんとも残念な話である。

 

写真・時事通信 文・小島一貴

 

( SmartFLASH )

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