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ノムさん語る巨人日本一の条件「原がベンチで寝てれば」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2013.10.16 07:00 最終更新日:2016.03.25 18:35

ノムさん語る巨人日本一の条件「原がベンチで寝てれば」

 

 約7カ月にわたるペナントレースが幕を閉じ、ファンの関心はクライマックスシリーズ(CS)と日本シリーズに向けられている。最近の傾向として、CSや日本シリーズのような短期決戦に臨むにあたり、監督たちからは「ふだんどおりの野球をやる」という言葉がよく聞かれる。これに対し、異議を唱えるのは野村克也氏(78)だ。

 

「これこそが、球界に名将と呼ばれる監督がいなくなった証拠。とんでもないわな。144試合と、日本シリーズは多くても7試合。条件が変れば戦い方だって変わる。当然でしょう。いま名監督って誰?巨人・原辰徳?楽天・星野仙一?

 

 でも、彼らを名将とか知将とか言わんわな。ちゃんと見ているんだよファンだって。短期決戦はね、トーナメントに近いということ。つまり、一球たりとも疎かにできなくなるんだよ」

 

 今年、仮にリーグ制覇のチーム同士が順当に勝ち進めば、巨人と楽天の対決が実現する日本シリーズ。巨大戦力を擁する巨人に死角はないのか。

 

「攻守のバランスから考えても、隙はない。オールスターみたいなメンバーだよ。原監督の采配?必要ない。逆にあの人は、試合終盤までなんもせんほうがいいんだよ。黙って座っていたら優勝するよ。よけいなことはせんで、ベンチで寝てたほうがいい。

 

 まあ、采配を振るうとしたら終盤の8、9回。短期決戦ともなれば僅差の勝負になることが多いからな」

 

 野村氏は、その終盤の勝負どころの無策が巨人の死角ではないかという。緊迫した場面で、1点を取ることに苦労したのが今年の巨人だった。野村氏は、巨人の機動力のなさを指摘する。

 

「それを象徴する試合を観たことがあった。東京ドームでの阪神戦。1点差の9回裏、一死からランナーが出た。そこで、唯一の足のスペシャリスト鈴木尚広が代走に起用され、打者は長野久義。

 

 ところが1球めをポ〜ンと打ち上げセンターフライ。続く橋本到も2球めをライトフライでゲームセット。思わず『何やってんの!?』と言いたくなった(笑)」

 

 長野は打席に入る前に少なくとも、鈴木が走るまで待ったほうがいいのか、1球めから打ちにいっていいのかを確認するべきだったと野村氏はみる。

 

「1点差、塁上には足のスペシャリスト。得点圏に走者を進めるということは最優先じゃない。だけど原は長野になんの指示も出さない。長野も指示を仰がない。巨人は結果オーライの野球。結果よければすべてよし。野球を知らない。個人競技だよ。

 

 まして、鈴木はほとんどベンチに座っているんだから、『あいつにも仕事をさせてやろう』という仲間意識さえない。ひどい野球だよ。東京ドームに取材に行くのが嫌になった」

 

 巨人がV9以来初の連覇を成し遂げるのか。球団創設以来、楽天が悲願の初優勝か。はたまた……。今年で64回めを迎える日本シリーズは、26日パ・リーグの本拠地からスタートする。

 

(週刊FLASH 2013年10月29日号)

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