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羽生結弦 世界初の4A認定!競技人生でこだわり続けた「前人未踏」の哲学
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.10 19:25 最終更新日:2022.02.10 19:30
北京五輪でおこなわれた、フィギュアスケート男子フリー。ショートプログラムで8位と出遅れた羽生結弦は、前人未踏の4回転半ジャンプ(クワッドアクセル、略号=4A)に挑んだものの、転倒。だが、ジャンプは4回転半として認められ、国際スケート連盟公認大会で世界初の認定となった。
演技後、羽生は「全部出し切ったっていうのが正直な気持ち。あれが僕のすべてかな」と振り返った。「正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。報われない努力だったかもしれないけど。たしかに、SPからうまくいかなかったけど、むしろ、うまくいかないことしかなかったけど、一生懸命、頑張りました」と語った。
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2014年のソチ、2018年の平昌で優勝し、五輪2連覇を果たした羽生。しかし、平昌の試合後、「スケートでやりたいことはまだ残っている」と語り、「モチベーションはクワッドアクセルだけ」と本格的な挑戦を始めたのだ。
「羽生選手が、競技人生のなかでよく口にしてきたのが、『誰からも追随されないような “羽生結弦” になりたい』という言葉です。そして、有言実行とばかりに、グランプリファイナル4連覇、ショート、フリーの歴代最高得点の更新など、前人未踏の記録を生み出してきました。クワッドアクセルへの挑戦も、その一つだったのでしょう」(スポーツ誌ライター)
北京五輪への出場が決まった昨年12月。「自分がこの五輪を目指す覚悟を決めた背景には、やはり4回転半を決めたいという思いが強くある。4回転半をしっかりと成功させて、そのうえで優勝を目指して頑張っていきたい」と意気込んだ。
なぜ、羽生はここまでクワッドアクセルにこだわったのか。2021年4月12日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日系)で、インタビューにこう答えている。
「理由の根本は、納得したいんですよね。自分自身が胸を張って、『これが最高の羽生結弦の完成形だ、理想の羽生結弦だ』っていうところにたどり着きたい。多分そのなかの一部が4回転アクセルなんです」
フリーを滑り終えた後の羽生は、クワッドアクセルにかなり手応えを感じたとして、「僕なりの4回転半はできていたのかなって、ある意味思います」と打ち明けている。
今後については「もうちょっと時間ください。ちょっと考えたいです。それくらい……それくらい、今回やり切っています」と語った。「世界で初めてクワッドアクセルを跳んだ男」として、羽生は今日もまた歴史に刻み込まれた。
( SmartFLASH )