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大谷翔平「ユニバーサルDH」導入決定で “一人勝ち” へ…来季はFA大争奪戦必至で労使交渉難航のピンチがチャンスに変わった!
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.23 20:49 最終更新日:2022.02.24 03:07
いまだ解決の兆しさえ見えないメジャーリーグの機構側と選手側の労使交渉。2月下旬となったいまでもスプリングキャンプは始まっておらず、オープン戦の遅延も発表された。
機構側は「3月31日(日本時間4月1日)の開幕には、2月末日までの新労使協定合意が不可欠」と語っているだけに、開幕が遅れる可能性もある。
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金銭面のおもな争点となっているのは、チームの年俸総額への課徴金(ぜいたく税)限度額、年俸調停の権利を得るメジャー3年未満の選手に対するボーナスプールの総額、最低年俸の3つ。だが、どれにも大きな隔たりがあるため、解決できるかは不透明である。
この煽りをもろに受けているのが、マリナーズからFAになっている菊池雄星(30)や広島からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す鈴木誠也(27)だ。彼らは球団側と交渉の席につけないため、いまだ移籍先が決まっていない。
一方、今回の労使協定で決まった数少ない案件がユニバーサルDH(両リーグDH制)の導入だ。これは「より攻撃的な野球」「ベテラン野手に新たな仕事を生み出す」ということで合意した。この新制度は、何をもたらすのか。
「ナ・リーグにもDH制が導入されれば、間違いなく大谷翔平にとっては追い風になります。これまでナ・リーグ主催の交流戦では、先発登板以外は代打待機でしたが、導入決定でDHでの出場が可能となった。となれば、打席数増は確実で、大谷はもちろんのこと、ファンにとっても楽しみは増えます」(スポーツ紙記者)
好影響は「もう一つある」と指摘するのがメジャーリーグ評論家の福島良一氏である。
「来年、大谷はFAの権利を得る予定ですが、私は多くの球団からのアプローチがあっても、エンゼルス残留が第一候補だと思っています。なぜなら大谷のマドン監督への信頼がとても厚いからです。調整法、登板間隔、出場の可否など、大谷がやりやすいようにサポートしてきた。また、二刀流を続けるうえで気候も関係します。東海岸と違って西海岸は雨が少なく、1年中温暖で調整しやすいわけです。そして、DH制があることが大前提でした。
ところが、ナ・リーグにもDH制が導入され、しかも気候が温暖なところ、ローテーションを大谷中心で考えてくれるような球団があれば、検討の余地が生まれる。彼の契約は超大型になることが確実なだけに、資金が潤沢な球団なら手を挙げるでしょう。その第一候補がドジャースです。何度も言いますが、残留が第一候補ですが、ユニバーサルDH導入で、大谷にとっての選択肢が増えたことは間違いありません」
労使交渉がうまくいかないピンチさえ、チャンスに変えてしまう。前人未到の記録を作り続ける男は、やはり何かが違うのかもしれない。
( SmartFLASH )