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阪神開幕9連敗でリーグワースト更新…“暗黒時代”を過ごしたOBは「何かを変える必要はない」

スポーツ 投稿日:2022.04.05 16:01FLASH編集部

阪神開幕9連敗でリーグワースト更新…“暗黒時代”を過ごしたOBは「何かを変える必要はない」

4月3日、9連敗めを喫した巨人戦で表情の冴えない阪神・矢野監督(写真・時事通信)

 

 阪神の連敗が止まらない。4月4日現在、開幕から続く敗戦はリーグワーストを塗り替える「9」まで伸び、球団としては2007年以来15年ぶりとなる9連敗に達した。

 

 要因として挙げられるのは、守護神スアレスの退団、相変わらずの守乱、ここぞというときの拙攻などさまざまだが、この泥沼状況をどう脱すればいいのか。ロッテ時代の2002年、開幕から11連敗を喫した野球評論家の里崎智也氏(45)が分析する。

 

 

「今の阪神を見ていると、歯車が噛み合っていませんね。打ってはそれ以上に点を取られ、抑えても点が取れない。また、守備を含めミスが多い。

 

 ではどうすればいいか。よく選手間で話し合えといった声を聞きますが、僕らのときは話し合った覚えはありませんね。だいたい、話し合いをして勝てるなら、とっくにやっていると思うんです。

 

 ひとつ言えることは、いずれ勝ちますよ、ということ。長いシーズン、143連敗はありえない。逆に143連勝もない。ですから、選手は自分がやるべきことをやるだけですよ。特別なこと? それは選手の状態によります。調子の悪い選手は何かを変える努力をしなければいけないし、いい選手は今のまま続けるべきですから」

 

 また、阪神の“暗黒時代”に入団し、大型連敗を経験した野球評論家の広澤克実氏(59)は、現状の「負のスパイラル」につながったきっかけを指摘する。

 

「この9連敗を、矢野燿大監督の今季限りでの退団発言と結びつける声をよく聞きますが、僕はそうではないと思います。9連敗の大きな要因は2つ挙げられます。

 

 1つめは開幕戦での7点差からの大逆転負けです。守護神のスアレス退団が取りざたされていますが、スアレスがメジャー移籍を目指していることは、昨季中盤あたりでわかっていたこと。ですから、矢野監督の責任というより、時間的余裕があったにもかかわらず、スアレスの代わりを連れてこれなかった編成の責任です。

 

 もう1つは、3月29日の広島に逆転サヨナラ負けを喫した試合。広島は9回裏無死一塁から曽根が盗塁を試みましたが、完全なアウトのタイミング。ところが中野がタッチにいった際にボールをこぼしてしまった。本来なら一死無走者のところ、無死二塁になってしまった。ここが大きなターニングポイントで、案の定、逆転サヨナラ負けです。これもその後の連敗に大きく関係していると思います」

 

 自身が過ごした暗黒時代、「選手間の話し合いは、まったくなかったですね。どうするというより、火の粉が自分に飛んでこないようにしていた」という広澤氏。後輩たちへのアドバイスはと尋ねると、里崎氏同様、「何かを変える必要はなく、今までやってきたことを当たり前のようにやる」ということだった。そして、「むしろ、気の持ちようが大事」だと続ける。

 

「9連敗と聞くと、どうしても気持ちが重たくなってしまう。でも、これだけ負けても首位・巨人との差はまだ8ゲームなんです。しかもあと134試合残っています。最下位がトップとの差を詰めるためには、ひと月2〜3ゲームとよく言われます。なので、ひと月で2ゲームを返していくと考えれば、今月中に6ゲーム差、5月で4ゲーム差、夏になれば射程圏内になる。そのくらいの気持ちで戦ったほうがいいと思います」

 

 過去、開幕から8連敗以上を記録したのは阪神で6チームめ。うち5チームはいずれも開幕からの連敗記録を完済することができず、負け越してBクラスでシーズンを終えている。

 

 そのジンクスを覆し、矢野監督は有終の美を飾れるか。逆転劇を見てみたい。

 

( SmartFLASH )

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