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「天皇賞・春」でカラ馬が“2着”に…レース後も“爆走”の「シルヴァーソニック」は次も期待できる「納得の血統」

スポーツ 投稿日:2022.05.02 19:10FLASH編集部

「天皇賞・春」でカラ馬が“2着”に…レース後も“爆走”の「シルヴァーソニック」は次も期待できる「納得の血統」

優勝馬・タイトルホルダーに続いてゴールに駆け込むシルヴァーソニック。しかし、鞍上には誰もいない……/写真・朝日新聞

 

 5月1日に阪神競馬場でおこなわれた競馬のG1レース「天皇賞・春」は2番人気のタイトルホルダー(牡・4)が逃げ切りで圧勝。鞍上の横山和生騎手(29)はデビュー12年めでJRA・G1初勝利となった。

 

 レース前から同馬とともに“2強”と注目されたもう1頭、1番人気のディープボンド(牡・5)は2着に入ったが、レース終了後にはディープボンドとタイトルホルダーの7馬身差の間を駆け抜けた“もう1頭”に注目が集まったのだ――。

 

 

 2強が入ったゲートはともに大外の8枠。有利とはいえない外枠に入ったことで、いかにうまくスタートを切れるかが勝負のカギを握るとされていた。

 

 そのスタートの瞬間、誰もが「あっ!」と声をあげたのが、2頭の間に入っていた17番のシルヴァーソニック(牡・6)の鞍上、川田将雅騎手(36)が落馬したことだった。

 

「まだ重賞勝ちのないシルヴァーソニックですが、直近3走はすべて3000m以上のレースで3着。3200mを駆ける天皇賞・春向きの長距離適性の高さを示すとともに、2022年のJRAリーディングジョッキーをひた走る川田騎手が騎乗していたこともあって“穴人気”になっていました。

 

 2強の強さは誰しもが認めるところですが、この馬が3着にでも来てくれれば、馬券的には“オイしい”存在。私も馬券を買っていただけに、スタートの瞬間は頭が真っ白になりました」(競馬記者)

 

 シルヴァーソニックは騎手が落ちたあと、いわゆる「カラ馬」でレースに“参加”。最後はそのままタイトルホルダーに続いて2番手でゴールしたのだ。
 しかし、スタート直後の落馬の時点で「競走中止」扱い。同馬がらみの馬券は、当然ながらすべてパーになった。

 

 G1レースでの落馬は珍しいことではない。2002年の「菊花賞」では、1番人気だったノーリーズンがスタート直後につまずき、武豊騎手(53)が落馬している。

 

「今回のようなケースで思い出されるのが、2008年のエリザベス女王杯でしょう。良血馬として注目された3番人気のポルトフィーノがスタート直後に、こちらも武豊騎手を振り落とし、カラ馬のまま先頭でゴールしました。

 

 騎手が落ちた場合、レースをやめてしまう馬もいますが、多くの場合はそのままほかの馬とともに走ってしまうことが多い。サラブレッドといえども馬ですから、草食動物で群れをなす習性があるので、一緒に走るといわれています」(同前)

 

 シルヴァーソニックの“幻の2着”について、インターネット上では盛り上がりをみせている。
 なかでも多いのが「もし騎手が乗っていたらどうなっていたか?」という疑問の声だ。

 

《タイトルホルダーおめでとう! シルヴァーソニックも実質2着ですごい…》

 

《これ騎手乗って走ってたら、ひょっとしたらシルヴァーソニックが優勝していた可能性もあるよね。位置は凄く良いところにいたもの……。ただ、ひとが乗ってない分の身軽さがあるから何とも言えんが。》

 

《落馬が無かったら絶対シルヴァーソニックが馬券に絡んでたって人は何も分かってないよ、斤量0kgなんだから楽に決まってるやん》

 

 競馬には騎手の体重を含めた「斤量」が課されている。

 

「騎手ありなしでどちらが速いか。基本的には騎手なしの方が速く走れるのは当然です。騎手の体重を含め、約50~60kgを背負ってサラブレッドは走りますが、1kgで1馬身の影響が出ると言われています。
 ハンデ戦では0.5kg単位で、馬の実績に合わせたハンデが与えられます。それほど斤量は走りに大きな影響を与えます」(同前)

 

 シルヴァーソニックはゴールした後、場内の柵を飛び越えようとして横転。しばらくそのまま動かず、故障が心配されたが、2分ほどすると何事もなかったかのように立ち上がり、馬運車に乗せられコースを後にした。落馬した川田騎手も怪我なく無事だった。

 

 前出の記者は「さすがはオルフェーヴルの仔ですよ」と笑う。

 

「シルヴァーソニックの父は“稀代のクセ馬”と言われたオルフェーヴルです。オルフェーヴルはデビュー戦でゴール後に暴走し、騎手を振り落としています。三冠を達成した2011年の菊花賞でも、やはりゴール後に騎手を振り落としています。

 

 2012年の阪神大賞典ではレースの勝負所でスローダウンする逸走ながら、急加速で2着まで追い込み、化け物ぶりを見せつけるなど勝負強さとともに“おもしろエピソード”にも事欠きません。私の馬券はパーになりましたが『あのオルフェの息子なんだから仕方ないか』とあきらめもつきます(笑)」

 

 G1レース6勝、フランスの「凱旋門賞」で2着2回と、日本屈指の名馬として名高い“父親”に倣ったレースっぷりは、今後にも期待が持てそうだ――。

 

( SmartFLASH )

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