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安治川親方、ついに迎える安美錦の断髪式「回転式でやるよ」「新しい髪型は模索中」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.05 17:00 最終更新日:2022.05.05 19:37
5月29日、五月場所終了後に両国国技館で引退相撲をおこなう元関脇・安美錦の安治川親方。コロナ禍による2度の延期を経て、ようやくの断髪式となる。引退相撲の内容や、今の心境などを聞いた。
――引退から約3年。ようやくですね。
安治川 はい。2020年10月、2021年5月と、2度も延期になりましたから。関取在位も長かったですが(在位117場所は歴代1位タイ)、引退してから断髪するまでの期間も1位なんじゃないかな(笑)。
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――マゲを落とすのは寂しいものですか。
安治川 いやいや、もう十分。引退後もどこかへ出かけるときは必ずマゲを結わないといけないんですよ。そのたびに部屋に行って床山さんにやってもらうんですけど、これがなかなか大変。それがなくなるんですから、今は楽しみで仕方がない。
まあ、いざなくなってみると違う気持ちになるのかもしれないですけどね。
しかし、これが親方としての新たな始まりであり、節目。今すでに、責任と緊張をこれまで以上に強く感じていますが、これからの可能性に自分自身が期待しています。
――マゲがなくなって、新しい髪型は決まっているんですか。
安治川 まだ模索中です。もう残り少なくなってきちゃったんでね(笑)。試行錯誤してます。
――引退相撲で、最後の取組として自ら相撲を取る方もいます。親方はどうしますか。
安治川 私はやりません。もう、相撲は十分やり切ったという気持ちがありますからね。最後は息子と一緒に国技館の土俵に立ちたいと思います。2人で土俵入りする予定です。
私の最後の場所になったのが2019年の七月場所なんですが、その直前に作っていただいた化粧まわしがあるんです。それは名古屋で2日しかつけていないので、私はそれをつけて国技館の土俵に上がります。
――何か特別な企画はありますか。
安治川 いや、できるだけシンプルにと考えています。2月にうちの部屋(伊勢ヶ濱部屋)の楯山親方(元誉富士)が自分の引退相撲で『俺はぜったい!誉富士』(吉幾三『俺はぜったい!プレスリー』の替え歌)を熱唱してましたけどね。私にはちょっと無理。
ただ、断髪は「回転式」でやる予定です。マゲにはさみを入れてもらっている間は、ずっと正面を向いているのが普通ですが、それを四方に向きを変えながらやりたいんです。
そのほうが、見ている方たちにもいいだろうし、なにより私がお客さんたちの顔を見たいんですよね。
――青森からご両親もいらっしゃるんですよね。
安治川 来てくれる予定です。自分のすべての始まりですし、相撲と出会わせてくれたのも親ですから。最後の姿は見てもらいたい。もちろん親だけではなく、これまで自分に関わってくれた多くの方々に感謝を伝える場、それが引退相撲だと思っています。
まだまだ新型コロナウイルスにも気をつけなくてはいけないですが、その対策も万全におこなって断髪式の日を迎えたいと思っています。
安治川親方
元関脇・安美錦。関取在位117場所は、魁皇と並び歴代1位。2019年七月場所で引退。コロナ禍で延期になっていた引退相撲を5月29日(日)に両国国技館で開催。詳細はhttps://aminishiki.jp/。また、5月24日には著書『けっぱれ相撲道【安美錦自伝】』を発売
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