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三月場所優勝の若隆景 兄・若元春と語る「父のスパルタ」「兄弟3人同時関取の夢」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.15 06:00 最終更新日:2022.05.15 06:00
三月場所で双葉山以来、86年ぶりとなる新関脇での優勝を果たした若隆景(わかたかかげ)(27)。福島県出身力士としては50年ぶりの優勝という快挙だった。その飛躍を支えているのが2人の兄の存在だ。長男は幕下の若隆元(わかたかもと)(30)。次男は前頭の若元春(わかもとはる)(28)。
それぞれの四股名は、「三本の矢」で有名な戦国時代の毛利三兄弟から先代の荒汐(あらしお)親方が命名した。長男は相撲協会の方針により対談には参加できなかったが、いま角界でもっとも注目を集める兄弟力士が、その “絆” を語った。
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ーー優勝おめでとうございました。優勝が決まったとき、花道にお兄さん(若隆元)がいたのが印象的でした。
若隆景(以下、景)ありがとうございます。兄には付け人をやってもらっているんです。
若元春(以下、春)もう3年くらいやってるよね、大波さん。大波さんというのは、長男のことです。兄の前の四股名が「大波」なんですよ。実の兄であっても兄弟子なので、大波さんって呼んでます。兄が私のことを呼ぶときは「剛士(ごうし)」。これも前の四股名なんです。
景 大波さんが付け人になるのは、先代の師匠が決めたことです。サポートしてもらって、助かっています。
春 優勝の瞬間、俺も一緒にいたかったんだけどなあ……。コロナの影響で、取組が終わった力士は早く支度部屋から出るように言われているんですよ。だから、宿舎に戻って部屋のみんなとテレビで観てました。感動したよ!
景 え、感動したんですか?
春 今までスポーツを観ていて、一度も感動したことのない俺が初めて感動したよ。まさか、相撲を観て感動するとは思わなかったけど。
景 ハハハ(苦笑)。
ーー三兄弟が同じ荒汐部屋に所属していますが、メリットやデメリットはありますか。
景 メリットは兄弟3人、一緒に応援してくれる方が多いってことじゃないですか。
春 お互いの存在が、刺激にはなるよね。自分は、誰かに負けたくないとか思うことはあまりない性格なんですが、三男坊にだけは負けたくないんですよ。だから稽古場でも頑張れるってことはある。
景 やっぱり一緒に飯を食べていても、本当にリラックスできるんですよ。デメリットなんてあるかな?
春 間違えられることはある。「若隆元さんですよね?」とか。
景 あるある(笑)。
春 そんなに似てないと思うんだけど、やっぱり兄弟だから雰囲気は似ているのかも。