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大乱調の五月場所で微妙な判定続出…大相撲審判に「物言いつけろ」の声声声
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.17 19:45 最終更新日:2022.05.17 20:00
横綱・大関が揃いも揃って大乱調。空前の混戦となっている大相撲五月場所。ふがいない上位陣に辛口の意見が多いのは当然だが、厳しい目を向けられているのはそれだけではない。
土俵下に陣取る「審判部」の親方たちへの批判だ。
場所中日の5月15日。結び前は、絶不調の大関・正代と、朝青龍の甥で成長著しい小結・豊昇龍という、注目の取組。攻めたのは正代だったが、土俵際でもつれ、豊昇龍も最後に逆転の投げを打って――という一番だった。
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行事軍配は正代に上がったものの、テレビ中継のリプレイでは、正代の肩が先に落ちていたように見えた。解説の舞の海も「スローで見ると、豊昇龍のほうが有利ですね。軍配は正代に上がってしまいましたけどね。物言いはつけるべきだったですね」とコメントした。あれだけ微妙な勝負なら、土俵下の審判が手をあげて物言いすべき、という意見だ。
角界のご意見番、北の富士も、新聞の連載コラムに《正代に軍配があがった時、これは物言いがつくと見ていたが、物言いもつかなかった。》《際どい時は、空振りでも良いから、物言いはつけるべきです。》と、苦言を呈している。
翌日の九日目(16日)にも、「おや?」となる取組が2番。
土俵際でのきわどい勝負だった琴ノ若ー北勝富士。直後、SNSには、
《いや、北勝富士ー琴ノ若物言いつかないんか??昨日のこともあったのに何も変わってないじゃんか》
《今日も琴ノ若と北勝富士の取り組み判定は微妙だった。こういう取り組みは物言いがついて当然だと思うが、なぜ検証しないのか。新しい審判団は閉鎖的な状況を打開するべきだと思うが》
などのコメントが並んだ。
さらに物議を醸したのが、若隆景ー貴景勝の一戦だ。取組の最中、前のめりになった若隆景の手が一瞬、土俵の砂を叩いたようにも……。
この一番にもSNSでは、
《何回リプレイ見ても若隆景の手がついてたようにしか見えないな…この場所ちょっと行司も審判部もおかしくないかな、物言いもつかないのはちょっとおかしいよ、、》
などのコメントが多数。いったいなぜこんなことになったのか。
「一言でいえば、土俵下にいる審判たちの問題です。話題になった3番は、いずれも物言いがついて当然でした。理由のひとつとしてあげられるのが、新米審判です。
先場所後に相撲協会の異動があり、今場所から新しく審判部に配属された親方が多いんです。
とはいえ、5人の審判員が新米ばかりにはならないので、それが理由とは考えづらい。実際、新しく審判になった二所ノ関親方(元稀勢の里)は積極的に手をあげていますし」(相撲ライター)
とにかく微妙な判定には、どんどん物言いをつける以外に、道はないという。
「大相撲で勝負を決めるのは、行司ではなく審判委員です。行事軍配に異議を感じた場合、物言いをして協議する義務がある。物言いは審判だけではなく、土俵下で控えている力士もつけることができます。2014年五月場所で、控えにいた横綱・白鵬が物言いをつけたことがあります」(同)
野球のようにビデオ判定を導入すればよいのでは?
「大相撲ではとっくに導入されていますよ。1969年に起きた横綱・大鵬の取組の『誤審事件』をきっかけに、同年の五月場所から始まっているんです。
ビデオがある部屋にも審判の親方がいて、そこで確認した内容を協議している親方に伝えます。ただ、相撲の勝負の判定は『早く出た』『先に落ちた』だけではないので、ビデオ判定はあくまで目安。最終的には直接見ていた審判の判断で決まります」(同)
微妙な判定が続いたことが話題になったためか、十日目(17日)は幕内だけで物言いがついた取組が4番も。これにはSNSの相撲ファンも《今日は物言いが多くてよかった!確認の協議大事!!》と納得の様子。相撲協会の「聞く力」、意外とあるようです。
( SmartFLASH )