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楽天、首位快走!監督兼GM・石井一久が隠し持つ“策士の素顔”…戦友らは「新しいタイプの監督」と絶賛

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.18 06:00 最終更新日:2022.05.18 06:00

楽天、首位快走!監督兼GM・石井一久が隠し持つ“策士の素顔”…戦友らは「新しいタイプの監督」と絶賛

スローガンを発表する石井監督(写真・球団提供/時事通信)

 

 楽天が首位を快走中だ。球団新となる連勝記録は11で止まったが、スローガン「譲らない!」を掲げ、パの主役に躍り出ている。

 

 先発、リリーフともに磐石な投手陣、ハイレベルな競争を続ける野手陣など、好調の要因は多いが、関係者の話を総合すると、石井一久監督兼GM(48)の存在も大きい。

 

 

「まず、選手掌握術に長けている点が挙げられる。選手に些細なことでも声をかけて、コミュニケーションを重視しています。結果、選手たちも『監督は気にかけてくれている』とやる気になり、相乗効果が生まれる。さらに、GMとしての手腕も見事。

 

 涌井秀章、浅村栄斗、鈴木大地、田中将大、西川遥輝らはチームの主軸として活躍していますが、彼ら全員を口説いたのが石井監督ですから。かといって外様選手だけでなく、生え抜きの島内宏明を四番に起用するなど気配りもできる。選手たちは『監督を胴上げしたい』が口癖になっています。選手の心を掴む巧みさから、石井監督は“策士”と呼ばれています」(担当記者)

 

 かつてヤクルトでともに戦った飯田哲也氏(53)、広澤克実氏(60)は、現在の石井監督をどう見ているのか。

 

「ベンチでの姿を見ていると、一喜一憂しないし、ピンチでも慌てたりしない。選手もそれを見ているし、頼りになると感じているのでしょう。会話を大切にし、やりやすい雰囲気を作っていることも勝利の要因です」(飯田氏)

 

 広澤氏も同様の見方をする。

 

「いい意味で“鈍感力”がある。これはヤクルト時代からで、遠征のとき、先発なのに寝坊してバスに乗り遅れたことがある。野村(克也)監督からこっぴどく叱られましたが、その日は完封。今の楽天の選手も石井監督のベンチで動じない姿を見て、安心してプレーしていると思います」

 

 2人は当時、石井監督が将来、監督をやるとは想像もしなかったと口を揃える。

 

「僕らのころの監督像というと、指導者であり教育者だった。プレーだけでなく、人間としての生き方も教えられた。一方、米国では監督をマネージャーというように、まさに石井はマネージャーです。いわば人事権を握り、チームの戦力を最大化するために適切な選手起用をおこなっています。日本では新しいタイプの監督といえる。

 

 2021年、GMだった石井は、契約年数が残っていた三木肇監督をクビにして自らGM兼任監督になりました。そのことは、地元仙台では相当批判されたんです。でも、気にするそぶりをまったく見せなかった。僕とは生まれ持ったものが違うんだな、と感じました(笑)」(広澤氏)

 

 飯田氏は、引退後について現役時代に尋ねたことがある。

 

「そこまで野球に執着していない様子だったから、監督どころか現役も長く続けるとは思いませんでした。それで、引退後にやりたいことを聞いたことがあるんです。一久は『テレビ関係の演出というか、裏方の仕事をやりたい』と。もともと前に出て行くことは得意じゃなかったですから。でもその思いが、チーム作りを担うGM就任に繋がっているんじゃないでしょうか。

 

 じつは、一久が監督になってからインタビューしたことがあるんですが、印象に残ったのが『監督は次々替わるけど、チームはずっと続いていく。だからこそ、その土台をいい方向に導きたい』と。大人になったというか……。最初からその考えはあったかもしれませんが、それを見せなかったところもすごい」

 

 前出の記者が続ける。

 

「石井がGMに就任した2018年以降、巨人とは6件もトレードを成功させている。また、主力の鈴木、西川は巨人との争奪戦の末、獲得しました。ともに巨人有利とみられるなか、石井GMが自ら動いて逆転したんです。そうした功績から、今球界では“二代目・根本陸夫”と呼ばれています」

 

 監督、GMとして辣腕を振るい、“寝業師”の異名を取った根本氏はポーカーフェイスだったが、その意味でも脱力感のある表情の石井監督は“二代目”の資質がありそうだ。

 

※成績は5月14日現在

 

( 週刊FLASH 2022年5月31日号 )

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