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サッカー日本代表「欧州組」7人を総力取材!鎌田大地語る「人生報われた瞬間」、三笘薫は「歴史を作る!」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.05 06:00 最終更新日:2024.07.25 18:22
カタールW杯まであと半年を切った。サッカー日本代表は6月6日に “王国” ブラジルを国立競技場に迎え、腕試しをおこなう。そんななか、激化するメンバー選考をくぐり抜け、W杯本番でキーマンになるであろう、欧州組7人を現地で直撃した。
2021-2022シーズンの欧州サッカーシーンで、もっともインパクトのある活躍をしたのは間違いなく鎌田大地だ。UEFAヨーロッパリーグ(EL)で優勝したフランクフルト(ドイツ)の中心選手で、決勝のグラスゴーレンジャーズ戦でも120分間プレー。PK戦ではキッカーに名乗りを上げ、見事に成功させている。ELで日本人選手の所属チームが優勝するのは、小野伸二(フェイエノールト)以来20年ぶりのことだ。
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鎌田はふだんポーカーフェイス、といえば聞こえはいいが不愛想。ユニホームを “萌え袖” にして、たらたら走る姿からはやる気が感じられないが、この決勝では違った。シュートを外せばピッチを叩いて悔しがり、優勝の瞬間は人目を憚らず号泣した。
「中高生時代はタイトルを獲るようなチームでプレーしてこなかったし、今までのサッカー人生は本当に難しいときばかりだった。同じことをやっても違う見られ方をする選手がいるなかで、僕は常にマイナスに見られてきた。そんなサッカー人生が報われた瞬間だった。すごく嬉しい」
試合後、鎌田は珍しく素直にはにかんだ。
日本代表には久々の招集となるが、もちろんW杯出場を視野にとらえる。
「フランクフルトか、それ以上のレベルで戦えている日本人は2、3人しかいないと思っている。選ばれて当然のところでプレーしているし、僕自身はやれることはやっている。選ばれたら頑張るだけ」
■一躍、クラブどころか街のヒーローになった
一方、2シーズン連続でドイツ・ブンデスリーガのデュエルマイスターに輝いたのは遠藤航だ。1対1の競り合いでの勝率で、屈強なドイツ人選手や各国の代表選手たちに勝る日本人選手だ。
ところが、所属のシュツットガルトは今季低迷しており、最後まで2部との入れ替えプレーオフ進出の可能性があった。このプレーオフ進出を断ち切り、自力残留に導くゴールをヘディングで決めたのが遠藤だった。一躍、クラブどころか街のヒーローとなった遠藤は、自分が2季連続デュエルマイスターになったことをすっかり忘れていたとツイッターで明かしている。チームキャプテンを務める遠藤だが、意外にも天然なのだろう。
代表でももちろんレギュラーであり、次期主将候補でもある遠藤。今回は、シュツットガルトの同僚・伊藤洋輝とともに選出され、センターバック(CB)の伊藤と息の合ったプレーを期待したい。
ドイツでおかしな注目を集めたのは浅野拓磨だった。浅野は4月、ホッフェンハイム戦で2ゴールを決めている。この試合をドイツ代表監督のハンジ・フリックが視察に訪れていた。試合後の地元テレビ局のインタビューで「今日はハンジ・フリックが見に来ていたね」と聞かれ、「え?ハンジ・フリック? 何それ?」と返答。
「誰それ?」ではなく「何それ?」と、ドイツ語で返答していることからも、まったく知らない単語だったことが窺える。このシーンは新聞でもおもしろおかしく扱われ、ユーチューブでは切り抜き動画も出現した。
後日、ドイツの東スポともいうべきビルト紙の記者の取材に、浅野はこう答えている。
「いや、今はもう知ってるよ。でも、自分のチームの監督じゃないから関係ないんだよね。あの日の2ゴールで、彼が僕の存在を知ることになったって? でもだからって、彼がスタメンに使ってくれるわけじゃないしね。関係ないよ」
と笑い飛ばした浅野。自身は、ロシアW杯にはサポートメンバーとして同行し、練習パートナーとしてメンバーを支え、日本戦はスタンドから観戦して悔しさを噛み締めた。
「まずはメンバーに選ばれないと。すべてはそこから」