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【プロ野球選手セカンドキャリア】9年かけ「公認会計士」転身も…直撃2人の共通点は“支援の少なさ”
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.25 06:00 最終更新日:2022.06.25 06:00
資格試験で最難関…取得まで9年
1年間打撃投手を務めた後、飲食業界に飛び込んだ奥村武博さん。胸には常に迷いがあった。
「始めたときは明確な目標もなく、なんとなく『楽しそう』といった程度でした。でも、生活のリズムも変わり、この先を考えたとき、ちょっと違うなと感じ始めました」
そんなとき出合ったのが、公認会計士の仕事だった。
「悶々とする様子を見かねた、当時の彼女で今の妻が『世の中にはこんなに資格があり、それだけ仕事があるんだから、自分に合うものがあるはず』と助言してくれ、『資格ガイド』を渡されたんです。
たまたまそのなかで会計士にビビッときて、勉強を始めました」
とはいえ、資格試験でも最難関。予備校通い、夜のアルバイト…。取得までには9年の月日が流れた。2013年11月に合格し、2014年4月から監査法人で働き始め、今は本業とともに、アスリートの引退後のキャリア支援にも尽力する。
「講演などで若手選手たちに向け、引退後のキャリアをどう考えるか、考えるための時間をどれだけ割くか、現役時代と引退後は別のことではなく、繋がっているんだよ、と伝えています。これが『デュアルキャリア』の考え方です。
『しくじり先生』(テレビ朝日系)のように、自分の失敗や後悔を包み隠さず伝えることで、選手も共感を持って聴いてくれます」
おくむらたけひろ
1979年生まれ 岐阜県出身 土岐商高を経て阪神に入団。 1999年の秋季キャンプで故・野村克也監督に名投手の名前を取って「小山二世」と期待されるも現役時の一軍登板はかなわず。2001年に引退し、2002年は打撃投手を務めた