スポーツ
元レッズ秋山翔吾は広島へ…西武はなぜ「出ていかれ、戻ってこない」のか? “復帰率0%” も晩年恩返し
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.29 13:48 最終更新日:2022.06.29 13:53
パドレス傘下3Aエルパソを自由契約となっていた秋山翔吾外野手(34)の広島東洋カープ入団が決定した。
2020年にシンシナティ・レッズでメジャーデビューを果たしたが、今季開幕前に自由契約になり、秋山のメジャー挑戦は実働2年間で終了していた。
広島とは、今季を含めた3年総額5億円(推定金額)での契約で合意したと見られている。6月30日に入団記者会見が開かれる。
【関連記事:『ライオンズナイター』40周年…高橋将市アナが驚いた、秋山翔吾の「放送時間内に打ちます」宣言】
6月20日に帰国した秋山に対して、獲得の名乗りをあげたとされるのは、外野手補強が急務という課題を持っていた広島、資金力豊富な福岡ソフトバンクホークス、そして、古巣の埼玉西武ライオンズの3球団だった。
そのなかで、もっとも獲得の可能性が低いと見られていたのが広島だったが、なぜ秋山は広島入りを決断したのか?
「いろんな要因がありますが、まずは彼の非常に好奇心旺盛でチャレンジ精神にあふれた性格です。西武からレッズに移籍した際も『日本人選手が誰もいないから』が決め手でした。
秋山は将来的に描いている指導者への道のりとして、見聞を広げたかったそうです。日本国内では西武にしか所属していなかったため、一度はセ・リーグでプレーしたい希望を持っていたとか。
また、広島入りへ大きく心が動いたのは、侍ジャパンでも一緒だった菊池涼介内野手と会澤翼捕手の存在。2人は直接、秋山に電話をかけ、『一緒にカープでやろう』と説得したようです」(広島担当記者)
ただし、「前々からカープとは別の球団に、秋山から動きをみせていたそうです」と前出の広島担当記者が続ける。
「じつはレッズを解雇された直後、秋山自ら横浜DeNAに売り込んだという話があるんです。というのも彼は横須賀出身で、地元に近い横浜でプレーしたかった。
でも、横浜の外野陣は実力者が揃っていて飽和状態。しかも、もともと所属していた筒香嘉智も、秋山同様にピッツバーグ・パイレーツで実力を発揮できず、いつ自由契約になってもおかしくない状態。
横浜としてはいつ帰ってきてもいいように、外野のポジションは空けておきたかった。そのため、この話はなくなったようです」
記者が話す横浜DeNAのように、“古巣” としては、円満に旅立った昔の僚友には戻ってきてほしいもの。
今回の争奪戦敗北に関して、「秋山選手が帰国した後、真っ先に交渉しました。このような結果になったのはとても残念です」と、渡辺久信GMがコメントしたように、西武の失望は大きいようだ。
じつは、西武からは過去に松井稼頭央、松坂大輔、中島宏之、牧田和久、そして、今回の秋山と5選手がメジャー入りを果たしているが、帰国後はいずれも別球団に入団しており、“復帰率0%” なのだ。
さらに過去の国内のFA移籍においても、15人が流出しており、球界最多となっている。
「西武は、出て行こうとする選手に対し、それほど強硬に慰留はしませんが、戻ってくる際にも、それほど好条件を提示しないんです。
今回の秋山との交渉でも、ソフトバンクが年俸2億円を提示したと言われていますが、西武はそれよりも低く、契約年数も広島の3年に及ばない2年だったようです。交渉面で劣っている部分もあるでしょう。
一方で、帰国後に直接、西武に戻った選手はいませんが、松坂は現役最終年を西武で迎えましたし、松井も西武で引退し、今は一軍のヘッドコーチとして復帰しています。今年のコーチ陣でいえば、豊田清投手コーチも復帰組です。
このように、何年か経てば復帰できる道筋が見えているので、秋山が『それならば、一度他球団も見てみたい』と思っても、不思議ではありません」(西武担当記者)
秋山は西武時代、西武線沿線に住み、遠征の際も車やタクシーではなく、西武線経由で空港に向かうほど、西武愛が強かった。
先輩方と同様に、のちほど恩返しがあるかもしれない。
( SmartFLASH )