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「世界陸上」東京開催に立ちはだかる“酷暑問題”マラソンは五輪で3割、ドーハ大会で4割棄権で“後遺症”も
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.15 17:30 最終更新日:2022.07.15 17:30
7月15日、日本陸上競技連盟は、ワールドアスレティックス(世界陸連)が2025年の世界陸上競技選手権大会(世界陸上)の開催地に東京を選定したことを報告した。
会場は東京五輪のメインスタジアムでもあった国立競技場。東京での開催は、旧国立競技場を舞台にした1991年大会以来、34年ぶりだ。日本での開催も、大阪での2007年大会以来、18年ぶりとなる。
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「国立競技場で実施された東京五輪の陸上競技では、男女の400mハードルと女子三段跳びの3種目で世界新記録が樹立されるなど、非常に評判がよかったんです。
五輪直後に世界陸連のセバスチャン・コー会長が『近いうちに戻ってこられることを願っている』と語り、世界陸上の開催はほぼ確定的でした」(陸上担当記者)
日本陸連が国際大会の開催に必須と定めていた、選手がレース前にウォーミングアップをおこなうための「サブトラック」が、国立競技場にはなかった。しかし、日本陸連は2022年3月に「五輪を開催した競技場は例外」とするルール改正をおこない、着実に足場を固めてきていた。
しかし、東京開催には東京五輪の際に誰もが感じた「大きな壁」が、まだ立ちはだかる。
「現在、発表されている概要では、開催時期を8月から9月、マラソン・競歩の会場を東京都内で実施予定としています。
マラソン・競歩といえば、東京五輪では北海道札幌市での開催に変更されました。これは2019年のカタール・ドーハでの世界陸上で棄権者が続出したことで、IOCから要請を受けての結果でした」(同前)
こうした配慮にも関わらず、男子マラソンでは出場者の3割弱にあたる30人が棄権。女子マラソンも15人が棄権となった。
きっかけとなった2019年のドーハ世界陸上の女子マラソンは、68人の出場の4割以上となる28人が棄権。さらに男子マラソンで15人が棄権、男子50km競歩でも出場者の4割弱の18人が棄権と“大惨事”となっていたのだ。
東京五輪の男子マラソンでは、スタート時間帯の朝7時の札幌市の気温は26度。ドーハ世界陸上は、もとから“酷暑”が懸念されていたため、深夜帯に開催された。それでも、気温30度以上というコンディションだった。どちらも、高温多湿の環境が選手たちを苦しめていた。
「実際に出場した選手の中には“後遺症”のような状態になる選手もいます。
男子20km競歩の世界記録保持者で、ドーハ世界陸上の50km競歩金メダリストの鈴木雄介選手は、ドーハでのレースから『慢性疲労』を訴えており、2021年の東京五輪の代表を辞退。7月16日から開催されるオレゴン世界陸上の35km競歩も、代表辞退を決断しています。
2025年の世界陸上は、札幌など避暑地ではなく、東京でロードレースをおこなうということですが、ついこの間までの酷暑で、東京都内は朝でも夜でも25度以上を記録していました。
8月から9月という開催予定時期を考えれば、あのような暑さ、もしくはあれ以上の暑さが大会期間中に訪れてもおかしくないでしょう。
スタジアムの評判は、選手や連盟関係者からも非常によいだけに、避けようがない酷暑は、今後、実際の運営を考えていく大会関係者を相当、悩ますことになるでしょう」(同前)
東京五輪から抱え続ける「アスリート・ファースト」という課題は、解決する日が来るのか。
( SmartFLASH )