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アギーレ進退問題 擁護派、解任派で「次期会長選」権力闘争勃発

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2014.12.30 07:00 最終更新日:2016.02.15 13:39

八百長の容疑者としてスペイン検察局に告発されながら、アジアW杯での続投が決まったサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)。だが、12月18日の会見で、日本サッカー協会は水面下でアギーレの後任探しをおこなっていることを示唆した。内情に詳しいベテランライターが語る。

 

「以前は続投を支持する擁護派が協会内の大半を占めていたが、ここにきて解任派が増えてきた。現在、協会は擁護派と解任派に割れている」

 

擁護派の代表といえば、アギーレ招聘の中心である原博実専務理事(56)。一方、解任派の代表といわれるのが田嶋幸三副会長(57)だ。要するに協会は、No.2の田嶋氏とNo.3の原氏の争いによって分裂の危機に瀕しているのだ。しかもそれは、次期会長選につながるという。

 

原氏は早稲田大学時代に日本代表入り。打点の高いヘディングを武器に、“アジアの核弾頭”と恐れられた。代表では75試合に出場、37得点は歴代4位の記録だ。監督としても浦和、FC東京で指揮を執り、’09年からの技術委員長を経て、’13年専務理事に就任した。

 

田嶋氏は浦和南高で全国高校サッカー選手権を優勝し、筑波大、古河電工でも活躍。だがJでの監督経験はなく、原氏より早い’93年に協会入り。強化、技術委員長を歴任し、’10年に現ポストに就任した。

 

これまで会長選は事実上、数人の幹部で構成された役員選考委員会で推薦された人物が、そのまま会長になっている。協会内の一部では“密室選出”ともいわれてきたほどだ。さらに、副会長経験者という不文律もあった。だがFIFAの指導により、’14年から会長選は約75人の評議員による投票、選挙制に変わったのだ。

 

「これにより副会長経験のない原さんでも、立候補すれば会長になる可能性が出てきた。原さんは飾らない性格で協会員からの人望は厚い。対して、田嶋さんは強い上昇志向が災いしてか支持する協会員は少ない。選挙となれば不利になることを本人もわかっている。もし大仁邦彌会長の任期が終わる’16年3月に選挙をやれば、原さんが勝つだろうというのが大方の見方だった」(スポーツ紙記者)

 

だからこそ、危機感を持った副会長派の協会員たちは、アギーレ解任を強く求めているのだという。もちろん、専務理事派の抵抗も激しく、“次の動き”があるまでひとまずアギーレ続投で落ち着いた。

 

じつはスペインでこんな噂がある。「日本へ行く前から八百長疑惑は一部で囁かれていた。アギーレも告発されることを予想しながら、代表監督を引き受けたという話も。この件が裁判となれば莫大な弁護士費用が必要。そのための監督就任だったという見方だ」(スペイン地元紙記者)

 

副会長派と専務理事派の綱引きが続く限り、アギーレの進退は宙ぶらりんの状態が続く。不毛な権力闘争で笑うのは“策士”アギーレだけだ。

 

(週刊FLASH 2014年1月6・13日号)

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