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大谷翔平「残留報道」で現地記者によみがえる“イチローの悪夢”全盛期の選手が「勝てないチーム」に留まるジレンマ

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.02 20:53 最終更新日:2022.08.02 21:01

大谷翔平「残留報道」で現地記者によみがえる“イチローの悪夢”全盛期の選手が「勝てないチーム」に留まるジレンマ

写真・アフロ

 

 MLBトレード期間が日本時間8月3日午前7時に迫った2日、複数の米有力メディアが「大谷翔平エンゼルス残留」と報じた。ヤンキースなど、複数のチームがエンゼルスに破格の条件を出して大谷獲得を目指したが、球団オーナーのアルトゥーロ・モレノ氏が認めなかったようだ。

 

 この報道が事実なら、少なくとも今季はエンゼルスでのプレーが義務づけられるが、今オフ以降はまだ、不透明だという。

 

 

「エンゼルスとしては、もし大谷がチームを去る場合、FA後ではうまみがなく、トレードである必要があります。FAでは、大谷を出してもほかの選手を得られるわけではないですからね。ならば今オフ、あるいは来季のシーズン中にトレードを持ちかけ、有望な若手数人を獲得したいでしょう。

 

 一方の大谷は、お金よりも、とにかく勝利を目指すチームで野球がやりたい。そこで“心配”なのが、来季、多少の補強をやってエンゼルスの成績が上がること。そうなれば、FAとなっても愛着のあるエンゼルスに残留する可能性が出てきます。 そこで思い出されるのが、イチローのことです」(現地紙記者)

 

 イチローは2001年からマリナーズでプレーしたが、この年、チームは快進撃を見せ、圧倒的な勝利数でア・リーグ西地区で優勝を果たした。だが、その後はチームの高齢化もあって成績は下降線。補強もうまくいかず、在籍した2012年途中まで、一度も西地区で優勝することはできなかった。

 

 当然、大谷のようにシーズン途中のトレード移籍が噂されることはあったが、イチローは逆に、FA前の2007年7月に再契約を結んだ。

 

 しかし、チームの成績は上がらず、念願だったワールドシリーズ制覇を達成することはなかった。

 

「イチローが再契約する直前、マリナーズはイチローに『勝てるチームになるために補強する』と約束していましたが、それもうまくいかず、つねに下位に甘んじてきました。

 

 なので、イチローは選手として全盛期のときに、勝利よりも、自分の打撃を追求することしかできないジレンマを抱えていたのです。2012年のシーズン途中でヤンキースに1対2の条件でトレードされますが、それはイチローの10年続いた年間200本安打が途切れた次の年でしたし、そしてヤンキースにもかつてのような強さはありませんでした。ヤンキースはイチローの移籍1年めこそ地区優勝しましたが、結局はワールドシリーズ制覇はかないませんでした。いちばんいい状態で強豪チームに移籍していたら、どれほど“勝ち”を得られていたのか、と思わずにはいられません。

 

 エンゼルスとしては今後、さまざまな“甘言”で大谷を引き留めようと苦心するでしょう。しかし、大谷には今、いちばん勝てるチームはどこなのかということを、冷静に判断してほしいですよ」(同前)

 

 野球選手の全盛期は、長いようで短い。こうなれば、エンゼルスが負け続けて、大谷本人が見切りをつけてチームを去ることも、ベストといえるのかもしれない……。

 

( SmartFLASH )

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