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受賞に恵まれない今季の大谷翔平 二刀流選手に贈られる“オオタニ賞”は「創設に値する」と専門家が
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.17 06:00 最終更新日:2022.11.17 06:00
今季は、ベーブ・ルース以来104年ぶりの「二桁勝利&二桁本塁打」に、MLB史上初の「規定打席&規定投球回到達」など、数々の記録を打ち立てた大谷翔平(28)だが、タイトルには見放されている。
投手では15勝9敗、防御率2.33、打者では打率.273、34本塁打、95打点と大活躍。とくに投手として成長し、二刀流はさらに進化した。にもかかわらず受賞がない。なぜか?
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「たしかに異次元の活躍を見せたが、今季もエンゼルスのチーム成績は低調。要するに、勝利への貢献度が低いと見なされました」(現地記者)
それでも気になるのは、18日(日本時間)に発表されるMVPだ。昨季は満票で受賞したが、今季は62本塁打を放ち、ア・リーグ記録を更新したヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)の圧勝という見方が強い。
そのなかで異論を唱えるのが、レッズの元GMのジム・ボーデン氏だ。1999年にメジャーで「最優秀エグゼクティブ」にも選ばれた同氏は、ウェブメディア『ジ・アスレチック』でこう述べている。
「ア・リーグのMVP投票では、ジャッジが1位で大谷は2位だろう。しかし、私のなかでは大谷が1番だ」
さらに同氏は、「新たな賞を設けるべきだ」と提言する。
「大谷のために、最優秀二刀流選手に贈る賞が必要だ。今は大谷以外に該当する選手はいないが、彼には独自の賞が贈られてもおかしくない」
じつは、大谷のために新たな賞を求める声は米国では多く、「オオタニ賞と名付けよう」という議論すらなされている。事実、選手名を冠した賞はメジャーでは多い。おもな例を記すと、投手にとって最大の栄誉とされる「サイ・ヤング賞」は、現役時代に前人未到の511勝を挙げた同氏を称え、1956年に設立された。
シーズンでもっとも優秀な打者に贈られるのが「ハンク・アーロン賞」。“野球の神様”ベーブ・ルースが持っていた通算本塁打714本を抜き、その快挙から25周年にあたる’99年に設立された。
そして、その指名打者(DH)版が「エドガー・マルティネス賞」。もともとは「最優秀DH賞」だったが、現役生活のほとんどをDHで全うしたマルティネスが’04年に引退した際、改称された。
では、「オオタニ賞」は実現するのか。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が語る。
「二刀流を対象にした賞自体は、近く作られてもおかしくない。現在メジャーでは大谷だけですが、米国の大学では二刀流の選手が増えているからです。実際、全米大学野球協会では、シーズン最高の二刀流選手に贈られる『ジョン・オルルド賞』があります。ただ『最優秀二刀流賞』ができても、すぐに大谷の名前がつけられることはないでしょう。
というのも、これまで名前を冠した賞は、その選手が引退後に改称されたり、新設されたものだからです。大谷の前人未到の活躍に加え、彼が“クリーン”であることを考えれば、彼の名前の入った賞ができる可能性は高い。メジャー最多の762本塁打を放ったバリー・ボンズと、最多安打4256本を記録したピート・ローズの名がついた賞はありませんが、それぞれ禁止薬物使用疑惑と野球賭博の汚点があるから。その意味でも、“品行方正”な大谷は賞の創設に値します」
二刀流・大谷のための賞が生まれれば、MLBで最高の賞になるはず。こんな痛快な話はない。