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「中日大丈夫」がトレンド入り 貧打の渦中で阿部のトレードに疑問も「最先端データ予測」は36歳・涌井へ意外な“上積みあり”判定
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.16 20:03 最終更新日:2022.11.17 17:26
11月15日、プロ野球の中日ドラゴンズと東北楽天ゴールデンイーグルスは、阿部寿樹(32)と涌井秀章(36)のトレードを発表した。
このトレードについて、プロ野球担当記者はこう解説する。
「阿部は2019年、2020年と連続で規定打席に到達し、今季も中日の中軸打者として規定打席に到達。不動のレギュラーでした。
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また、涌井は通算154勝を記録し、西武、ロッテ、楽天の3球団それぞれで『最多勝利投手』のタイトルを獲得した、球界を代表する先発ピッチャーです。
今回のトレードは『先発投手の枚数を増やしたい』中日から持ちかけて、『右の好打者がほしい』楽天と思惑が一致して実現した、とされています。
ただ、貧打に泣いた中日にとって、阿部はチーム内でビシエドに次ぐ長打を打てるバッター。交換相手の涌井のほうが年齢を重ねていることもあり、このトレードを決断した中日に疑問の声が上がっているのも事実です」
野球解説者の高木豊氏(64)も、自身のYouTubeチャンネルの動画で、
《日本人の野手で阿部が今いちばん活躍したし、勝負強かった。32歳の脂が乗りきっている、いちばんいいときに阿部を出すというのは大丈夫か、というちょっとした不安がある》
と明かしたほどだ。
同様に考えた野球ファンも非常に多かった模様で、中日ファン以外からも下記のようなツイートが多く見られた。
《阪神ファンとして、よそのこと言えないけどただでさえ貧打やのに阿部選手トレードって中日大丈夫なん?って思ってしまう》
《正直申し訳ないけど私も中日大丈夫なのこのトレードって思ってしまう》
《涌井と阿部のトレード!? 貧打が深刻の中日大丈夫なのか?》
この「中日大丈夫」は一時、Twitter上でトレンド入りする事態にもなっていた。
「ただ、中日にとって、あながち悪いトレードではないと見る向きもあります」と、スポーツライターは話す。彼が続ける。
「野球界では米国を中心に、細かな成績やデータをもとに分析をおこなう『セイバーメトリクス』という分野があり、広がりを見せています。なかでも最近、注目を集めているのが、これまでの成績、傾向をもとに特定選手の“未来の成績”を予測する『プロジェクション・システム』です。
日本でも『DELTA』という組織が独自にプロ野球のデータサイトを運営し、最先端の分析データを公開しています。
その公式Twitterが、今回のトレードを受けて、2人の『残りキャリア予測』を公開したのですが、意外にも年長の涌井投手のほうが、今後の貢献度が高いとしているんです」
セイバーメトリクスには「WAR」という、選手の貢献度を計る指標がある。メジャーリーグではMVPを決める際にも参考にされるなど、チームの勝利数に直結する指標と言われている。
DELTAのツイートでは、阿部と涌井の「WAR」の“未来予測”が公開されていた。予測された阿部の残りキャリアのWARは「1.2」。涌井の残りキャリアのWARは「3.1」と、涌井のほうに「上積みあり」とされているのだ。
ベテランのプロ野球担当記者は、こう話す。
「涌井はたしかに年齢を重ねていますが、今季は骨折で離脱した影響があっただけで、いいピッチングをしていたんです。骨折で離脱する直前の5月には9回完投で勝利を挙げていましたし、じつはストレートも、この歳になって速くなったと思わせるほどでした。
ただ、中日には高橋宏斗、小笠原慎之介という若手や大野雄大、柳裕也というタイトル経験者もいて、“絶対に必要な補強”かと言われれば、疑問符はつきます」
涌井の妻でモデルの押切もえ(42)は、11月15日に自身のInstagramを更新し、《大好きでしたよ》とイーグルスの球場グルメとの別れを惜しむ投稿をしていた。
名古屋の地でも夫婦揃って、歓声で迎えられることを祈りたい。
( SmartFLASH )