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32歳・高安が九州場所単独トップ 「脱走の常習犯」が白鵬に「いちばん強い」「ジューシー」と絶賛されるまで

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.26 15:20 最終更新日:2022.11.26 15:21

32歳・高安が九州場所単独トップ 「脱走の常習犯」が白鵬に「いちばん強い」「ジューシー」と絶賛されるまで

 

 大相撲九州場所は13日目(11月25日)を終えて、東前頭筆頭の高安が優勝争いの単独トップに立った。残り2日で、2敗の高安を3敗の大関・貴景勝、関脇・豊勝龍、平幕の阿炎王鵬の4人が追う展開となっている。

 

 2005年春場所が初土俵の高安。初土俵から105場所めでの初優勝となれば、旭天鵬の121場所に次ぐスロー記録となる。

 

 

 野球少年だった高安は、中学卒業後、元横綱・隆の里が師匠をつとめる鳴戸部屋に入門。新弟子時代、「脱走の常習犯」だったことは有名だ。

 

「当時の鳴戸部屋は猛稽古で知られており、高安は耐え切れず何度も脱走を繰り返しています。部屋があった松戸から実家の茨城・土浦まで6時間も自転車をこいで逃げ帰ったそうです。しかし入門の翌年、父親ががんを患ったことが転機となり、稽古に励むようになりました」(相撲ライター)

 

 2011年名古屋場所で新入幕。しかし同年11月に、師匠が急死。その後、先代・鳴戸の遺族とのトラブルから、部屋は田子ノ浦部屋と名前を変更。さらに部屋の施設も使えなくなったため、2013年12月、追われるように別の部屋へ移転するという苦労も味わっている。

 

「2015年には兄弟子の元関脇・若の里が引退し、部屋の関取は稀勢の里と高安だけになりました。ほかの力士とはあまりにも力の差がありすぎて、実際には稀勢の里と高安と2人だけで稽古をしていたようなものです。互いに高めあったことで、横綱と大関にまで昇進できたことは間違いない。

 

 2017年、稀勢の里が初優勝したとき、高安が人目をはばかることなく涙を流していたのが印象的です。いまは独立して別の部屋の師匠になりましたが、高安の優勝を誰よりも望んでいるのが兄弟子の稀勢の里、二所ノ関親方でしょう」(前出・相撲ライター)

 

 2017年大関に昇進。持病の腰痛のため、2019年九州場所で大関から陥落したものの、2022年は春場所、秋場所、そして九州場所と、優勝争いに絡む活躍を見せている。

 

 元白鵬の宮城野親方は、2021年九州場所の解説で高安を「いちばん強いと思った」力士だと絶賛。また、2022年初場所では「体つきが食べごろというか、ジューシーさがあるんですね」とコメント。思わずアナウンサーが「な、なんですって?」と聞き返したこともあり、相撲ファンの間では「ジューシー高安」の呼び名がすっかり定着している。

 

 これまで幾度も、優勝のチャンスを逃してきた苦労人。SNSには《今場所は高安に!!とお相撲好きな人の9割は思ってると思うのよ(言い過ぎか)。あぁどうか高安に、今度こそ》《今度こそ優勝させてあげたいなあ…。 頑張れ、高安…》と願う声が多数ある。

 

 32歳の夢は叶うのか――。

( SmartFLASH )

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