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箱根駅伝の新ルール「大学名の掲出禁止」相次ぐ“違反指摘”の一方で青学・原監督は「駅伝文化の劣化」と不満

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.04 15:05 最終更新日:2023.01.10 17:31

箱根駅伝の新ルール「大学名の掲出禁止」相次ぐ“違反指摘”の一方で青学・原監督は「駅伝文化の劣化」と不満

1月2日往路の芦ノ湖のゴールにも多くの観衆が詰めかけていた

 

 1月2日、3日におこなわれた「第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」は、往路を制した駒澤大学がそのまま最後まで逃げ切り、2年ぶり8度めの総合優勝を果たした。

 

 駒大は2022年10月の「第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走」と11月の「第54回全日本大学駅伝」も制しており、史上5校めの学生駅伝3冠を達成した。

 

 

「次回の2024年に第100回大会を迎える箱根駅伝は、年々、注目度が増しています。最近ではかつての名門校だけでなく、新興校の活躍も目立つようになっており、大学としても格好のアピールの場になっていることが窺えます。

 

 しかし、今回からはそんな大学のアピールに関するルール変更がおこなわれていたんです」(スポーツ担当記者)

 

 箱根駅伝の公式サイトには「第99回箱根駅伝 応援に関するお願い」と題した注意喚起の資料が公開されており、その中でこう記されていた。

 

《本連盟が認めた出場校公認応援団の活動以外での大学名の掲出はご遠慮ください。のぼり、横断幕、小旗、タオルの掲出、法被など統一した衣類などを対象とします》

 

「前々から、一部の大学などが集団で大学名を宣伝するような行為があったことは指摘されていました。そもそも、のぼりなどをガードレールにくくりつけると道交法違反ですからね。

 

 それに加えて、小旗を振ることでほかの観客の観戦を邪魔したり、選手への妨害が起きたりする可能性もあり、そういった危険性も考慮したのでしょう」(前出・スポーツ担当記者)

 

 現地では観客に対して、そうした行為に対する直接の注意喚起もおこなわれていたという。しかし、2日間、10時間以上もテレビで生中継される箱根駅伝とあって、視聴者からは、そのルールが無視されているという指摘が聞かれていた。

 

《今年の箱根駅伝、一応大学名の入ったものを使用、着用しての応援が禁止だったのだけど、あんま守られてなかった》

 

《沿道で大学の小旗振ってる人いるけど、今回大学の名前入ってるの出すの禁止なのよね。応援してるつもりだろうけど、大学にペナルティ科されるかもしんないので、それは妨害なのですよー、て伝えてあげたい》

 

《幟禁止なのも知らずに何か上げてるOB?いるなぁ》

 

 今回、新型コロナ禍以降で初めて、3年ぶりの沿道応援が解禁された箱根駅伝とあって、2022年の60万人から増加し、91万人(ともに大会本部調べ)の観衆が沿道に詰めかけた。ルールの周知が難しかった点は否めない。

 

 一方で、このルールに苦言を呈したのは、総合3位だった青山学院大学の原晋(すすむ)監督だ。レース後に報道陣の取材に応じた原監督は、自校のレースについて以外に、今後の駅伝界の未来について聞かれ、こう話していた。

 

「日本の駅伝文化は勝ち負けではなく沿道の声援、のぼり旗、応援団を含めて駅伝だと思う。だから、のぼり旗も復活させるべき。

 

 だんだん駅伝文化がなくなり、見てる人が楽しくなくなる。現場サイドでは記録を上げて立派な対決になってるけど、演出部分で劣化してることに対して、僕は非常に不満です。すべて規制、規制となると、日本の駅伝文化がなくなると思う」

 

 大会主催者側が設けた“応援ルール”にも踏み込んで発言したのだ。

 

 もはや、単なる「学生スポーツ」の域を超えた、箱根駅伝の未来はいかに――。

( SmartFLASH )

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