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侍ジャパンを待ち受ける「滑る」「重く感じる」WBC公式球 元代理人が語るMLB移籍投手たちの「調整エピソード」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.28 18:35 最終更新日:2023.01.28 18:40
3月に開催される「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に出場する日本代表「侍ジャパン」全30人が、1月26日に決定した。先行発表されていた12人に、日系人として初の日本代表選手となるラーズ・ヌートバー(カーディナルス・25)や、今季にメジャー移籍した吉田正尚(レッドソックス・29)、2大会連続出場の山田哲人(ヤクルト・30)、初出場の岡本和真(巨人・26)らが加わった。
メンバー入りした選手たちが自主トレを開始するなか、注目されているのはやはり投手の大会公式球への対応だ。
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WBCでは、MLBの公式球が使用される。MLBとNPBの公式球は、縫い目の高さや表面の材質が異なることで知られる。そのため、日本人投手がメジャー移籍する際、MLB公式球にいかに早く慣れることができるかが、必ず話題となる。
2021年の東京五輪で世界一に貢献した守護神で、今大会メンバーにも選ばれた栗林良吏(広島・26)は1月24日、大会公式球でブルペン投球した際、「球が滑る。あと、力を入れて投げると重く感じる」と、「スポーツニッポン」の取材に対して答えている。
一方、同じく代表になった“球界最強右腕”の山本由伸(オリックス・24)は、1月27日に大会公式球で投球練習をおこなったあと、「中日スポーツ」に対して「すごく滑るとか、いろいろ想定していたんですが、その想定よりは、ぜんぜんよかったです。違和感はなくなると思います」と、早くも手応えを語っている。
国際大会の場合、調整期間が短いことがネックと思われるが、ボールに順応する速さはやはり投手によって個人差があるのだろうか。日米間の移籍選手の元代理人が語る。
「NPBのボールはミズノ製、MLBはローリングス製で、両者は材質などが異なります。MLBのほうは、縫い目が低いため指に引っ掛かりにくいのと、革の表面の感触からも、日本人選手は滑りやすいと感じることが多いです。
以前、私が関わったある投手は、アメリカへ渡る際、どうしてもMLBのボールは滑るからしっかりグリップしなければいけないという意識があり、キャンプからオープン戦の期間にしっかり調整していました。すると、開幕直前で肘がパンパンになってしまい、あわや故障するかもしれない、という状態になりました。なんとかシーズンは乗り切りましたが……。
また別の投手は、移籍が決まった直後、『まだ日本にいる冬の間、MLBのボールで練習したい』というので、もともと日本の事務所にあったボールをいくつか渡したんです。すると、何日か練習した後に『あんまり日本のボールと変わらない』と言っていたんですね。ところが、いざアメリカに行って、現地でMLBのボールを投げると、日本で投げたときと感触が違うと言い出したんですよ。もしかすると、その国の湿気や気候が関係しているんじゃないか、と彼は分析していて、おもしろいなと思った記憶があります。
1次と2次ラウンドは日本で、準決勝からアメリカで戦うので、もしかすると、それぞれでボールの感触が違うと感じる選手もいるかもしれませんね。ただ、ボールが違っても影響ないという選手はいますし、結局、感覚は人それぞれですね」
投手には、1日でも早く大会公式球に慣れ、世界一奪還に向けて、投げてもらいたい。
( SmartFLASH )