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JRA、24年ぶり「開催中止」の危機 賃金体系改善求め厩務員らによるストライキの可能性が

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.16 19:57 最終更新日:2023.03.16 19:58

JRA、24年ぶり「開催中止」の危機 賃金体系改善求め厩務員らによるストライキの可能性が

3月19日に開催予定のスプリングステークス。2022年はビーアストニッシドが制したが…(写真・時事通信)

 

「満額回答」が相次ぐ2023年の春闘。だが、ストライキによって週末の楽しみがなくなってしまうかも――。

 

JRAの厩務員や調教助手らが加盟する、4つの労組の第2回団体交渉が、3月16日の午後から始まっています。交渉が決裂した場合、3月18日と19日の競馬開催が中止になる可能性があります」(競馬ライター)

 

 もし中止となると、1999年4月以来、24年ぶりのこととなる。なぜこんなに揉めているのか。

 

 

「JRAの売上は、ピークだった1997年の約4兆円から、2011年には約2兆3000億円と大きく減少しました。そのため2011年から、厩務員らには勤続手当の廃止と、それ以後、入る人の給与は2割カットという新しい賃金体系がとられるようになりました。

 

 しかし、2012年からJRAの売り上げが徐々に回復。2022年は3兆2500億円にまで伸びています。そのため、元の賃金体系に戻してほしい、というのが組合の主張です。それに対して、雇用する側の調教師会が難色を示しているのです」(前出・競馬ライター)

 

 SNSでは

 

《世間一般から見れば平均年収800万円以上貰ってて、さらなる賃上げが理解されると思ってるのはオカシイ》

 

との批判もあるが、

 

「JRAの厩務員の年収は平均で940万円だと、2022年の国会の答弁で明らかにされています。たしかに一般的に見れば高給かもしれませんが、高い技術が必要で、危険も伴います。休みも月曜日だけです。いろいろな見方がありますが、そこまで恵まれた待遇でもないと思います」(前出・競馬ライター)

 

 3月18・19日の開催が中止となれば、影響は計り知れないという。

 

「2日間でスプリングステークス、阪神大賞典など4つの重賞レースが組まれています。いずれも春のG1シーズンを見据えた、重要なステップレースです。出走を予定していた馬たちの、今後のスケジュールが大きく乱れることになります。

 

 サラブレッドは非常に繊細なので、レースが1週ずれただけで、コンディションがまったく変わってしまいます。重賞だけでなく、48レースに出走予定のすべての馬、さらに来週以降のレースなど、影響は波紋のように広がっていくのです」(前出・競馬ライター)

 

 16日午後の団交は妥結に至らず、結論は17日以降に持ち越しとなった。馬のためにも、無事、開催できることを願うしかないが――。

( SmartFLASH )

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