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田中将大&斎藤佑樹が日ハム開幕戦で“交錯”かたや開幕投手、かたやリポーター、17年後の現在地にファンの感慨
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.03.31 15:57 最終更新日:2023.03.31 16:42
2006年、夏の甲子園。延長15回で引き分け、翌日に再試合となった、駒大苫小牧(北海道)と早稲田実業(東京)の決勝戦を覚えている人も多いだろう。駒大苫小牧が勝てば、史上2校めの夏の3連覇。早実が勝てば、王貞治氏も荒木大輔氏もなし得なかった、夏の甲子園初優勝。
4対3と、早実リードで迎えた9回表2アウト、ランナーなし。マウンドには斎藤佑樹、バッターボックスには田中将大が立っていた。
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そんな場面でめぐってきた、互いにエースナンバーをつけた2人の対決は、田中が4度のファウルで粘り、1ボール2ストライクからの7球め――。田中を空振り三振に仕留め、マウンドで両手を高く上げたのは斉藤だった。
決勝再試合、最後はエース同士の対決と、ドラマが重なったこの試合は、高校野球史上に残る、いまも語り継がれる伝説の一戦となった。これ以降、斎藤は「ハンカチ王子」と呼ばれ、日本中に騒がれる存在となる。
あれから17年――。2023年3月30日、大学卒業後にプロへと進んだ斉藤が、2011年から2021年まで所属した北海道日本ハムファイターズの開幕戦が、新球場「エスコンフィールド北海道」でおこなわれた。新球場のこけら落としとなるこの試合は、テレビ東京による中継で、地上波でも放送された。
日ハムの相手は、楽天イーグルス。楽天の先発として開幕のマウンドに立ったのは、日本では11年ぶりの開幕投手を務める田中将大だった。田中の先発について、戦前、新庄剛志監督が「石井(一久)監督の、粋なはからいですよね。北海道のみんなにとっては、おもしろい試合になると思う」と語っていたように、北海道の新球場の開幕戦に、高校時代を北海道で過ごした田中が先発することは、意味があった。
かたや、17年前のもうひとりの主人公・斎藤は、テレビ東京のリポーターとして中継に登場。マウンドで田中が力投を続ける中、球場内のグルメリポートでラーメンや寿司の食レポをしたり、平成ノブシコブシの吉村崇と、球場外のバーベキュー施設で焼きマシュマロをほおばってみたりと、リポーターとしてせわしなく動き回っていた。
試合は楽天が3対1で勝利。開幕戦の勝利投手となった田中と、スーツを着て、笑顔で食レポや施設の紹介をした斉藤。17年前、互いに甲子園優勝投手として日本中を沸かせた2人の現在の対極的な姿に、ネット上では、
《15年前はこんな未来想像もできなかったですよねぇ。それも人生》
《人生というのは、どうしてこう》
などと、2人の現在を比較する声があがった。また一方では、
《外から見ると対照的な人生に見えますが、2人の幸せそうな表情を見ると、それぞれの場で人生を謳歌されているように感じます。こういう人生、いいですね》
《それぞれの場所で輝いていて素敵!》
《これはこれで幸せな未来》
といった、2人の生き方を肯定する意見も多数見られた。
開幕投手とグルメリポーターという、思いもよらない形で再び交錯した「マーくん」と「佑ちゃん」。彼らの現在地をどうとらえるかは人それぞれだが、かつて「ハンカチ王子」として日本中にもてはやされた斉藤が、ハンカチで汗を拭くシーンは、この日、最後まで見られなかった。
( SmartFLASH )