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大谷の同僚・レンドンが観客とケンカ、球場の “形” が皮肉な結果に…過去にも伊良部氏のそばでトラブル

スポーツ 投稿日:2023.04.02 15:17FLASH編集部

大谷の同僚・レンドンが観客とケンカ、球場の “形” が皮肉な結果に…過去にも伊良部氏のそばでトラブル

ファンの胸ぐらをつかんだエ軍の4番・レンドン(写真・AFLO)

 

 またしてもこのような事態になってしまったのか……。

 

 現地時間3月30日、オークランド・コロシアムでおこなわれたアスレティックスvs.エンゼルスの開幕戦。大谷翔平投手が先発し、6回2安打無失点と好投も、エンゼルスは敗れた。

 

 試合後、選手と観客が言い合いになり、その際に選手が相手の胸ぐらをつかんでしまったという。MLBも調査していると報道されている。

 

 

 当事者になったのは、エンゼルスのアンソニー・レンドン選手。2020年から大谷翔平選手の同僚で、この試合でも4番サードで出場。ナショナルズ時代の2019年には打点王にも輝いており、日本のファンにもお馴染みだろう。

 

 もめごとが発生したのは、試合後、選手たちがベンチから引き上げるときだと聞いて、どうにもやるせない気持ちになった。オークランド・コロシアムでは、バックネット側のスタンドのすぐ脇を抜ける形で、ベンチにつながる通路がある。

 

 そこでは、観客は手を伸ばせば選手に触れられる距離にまで近づくことができ、事件はまさにこの場所で起こった。本来、選手との距離が近いことはファンにとって嬉しいことだと思うが、トラブルが発生しやすい環境であることは否めない。

 

 ネット裏の特等席だから、このあたりに座っている観客のマナーが悪いことは滅多にないはずだ。ゲストに呼ばれた著名人が座っていることもあった。

 

 私がテキサス・レンジャースの通訳を務めていた2002年シーズンでは、始球式に登場したマイケル・ジョンソン氏(陸上200mと400mの元世界記録保持者)がいたことがあった。ただ、ごく少数ながら、至近距離で選手に悪態をつくようなファンがいることがあるのもまた事実だ。

 

 私もこの場所で、選手とファンのもめごとを目撃したことがある。同じく2002年のシーズン、同球場でのアスレティックスvs.レンジャースの試合で乱闘が発生した。

 

 試合中だったので、クラブハウスに残っていた選手は終盤のリリーフの仕事が確約されている2人、すなわち伊良部秀輝選手とジョン・ロッカー選手だった。

 

 ロッカー選手はものすごい速さで乱闘に加わったが、フィールドにいたわけではないので感情的になってはおらず、むしろ乱闘を止めるために急行したのである。乱闘では味方の選手を守るために全員参加が義務になっており、もちろん伊良部選手も駆けつけている。

 

 問題が発生したのは乱闘の後のこと。ロッカー選手と伊良部選手がクラブハウスに引き上げる際、ネット裏の通路でファンの一人が何らかの言葉をロッカー選手に投げかけた。

 

 これに反応したロッカー選手は激高した様子でそのファンに近づき、厳しい言葉を言い返していた。ファンがなんと言ったのかは私もわからなかったが、相当ひどいことをののしられた様子だった。

 

 ロッカー選手は、2000年に人種差別発言をしたことが取り沙汰されており、その年は全米で登板するたびに大ブーイングの的になっていた。それから2年経ってもまだまだヒールのイメージが残っていたので、ファンからのヤジの標的になりやすかったのは確かだ。

 

 ロッカー選手の勢いに気圧されたのか、当該ファンもそのまま黙ってしまったのでそれ以上のもめごとにはならず、特段の処分などもなかったのは幸いだった。今の時代ならSNSで拡散されて、問題になっていたかもしれない。

 

 今回のレンドン選手は、口論に加えて身体的な接触もあったようだし、その映像が拡散されてもいるので、残念ながらなんらかの処分は免れないだろう。ファンと選手との距離が近いという球場の構造がアダとなってしまったのは、なんとも複雑な気持ちにさせられる。

 

文・小島一貴

( SmartFLASH )

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