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西武・中村剛也がプロ野球初の「2000三振」単純計算で「4打席に1度は三振」の快挙【データで見る三振王】
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.30 19:30 最終更新日:2023.04.30 19:47
「おかわり君」の愛称で親しまれ、これまで6度の本塁打王(歴代3位)を獲得している西武ライオンズの中村剛也内野手(39)が、4月29日の楽天戦で、日本プロ野球史上初となる通算2000三振に達した。
昨年7月6日のオリックス戦で、清原和博氏が持っていた通算1955三振のNPB記録を更新した中村は、プロ22年め、出場1973試合、7706打席めで大台到達となった。
ある意味、ホームランバッターの “勲章” ともされる三振。日刊スポーツによれば、中村が公式戦で対戦した投手は述べ753人(2000三振後の楽天戦で754人め)。そのうち、もっとも三振を喫しているのが、楽天・則本昂大投手で36個。次いで2位が、元日本ハム投手の金子千尋で32個。
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しかし、中村は則本から5本塁打、金子から11本塁打を打っていることから、いかに三振とホームランが紙一重かがわかる。
それを証明するように、中村は2000三振を達成した次の打席で6号2ランを放ち、通算460号(歴代14位)も記録。通算本塁打記録13位のタフィ・ローズの持つ464本まであと4本と迫り、12位の土井正博の465本超えも射程に入った。
ちなみに、NPBにおける通算三振数の上位10傑を見てみると、
1位:中村剛也 2000
2位:清原和博 1955
3位:谷繁元信 1838
4位:山崎武司 1715
5位:秋山幸二 1712
6位:金本知憲 1703
7位:新井貴浩 1693
8位:中村紀洋 1691
9位:タフィ・ローズ 1655
10位:衣笠祥雄 1587
となっており、現役選手では巨人の松田宣浩が1519三振(4月30日現在)で13位だ。
さらに、三振率(三振数÷打席数)で見てみると、通算三振数が2位の清原はプロ22年、2338試合、9428打席で現役を終えているため、三振率は20.7%。対して中村は26%と、こちらでも清原を大きく上回る。
三振率が26%ということは、単純に考えて4打席に1度は三振ということで、ファンを魅了する中村の思い切ったスイングを象徴するデータともいえそうだ。
――思い切ったスイングで思い出すのが、1987年から1988年の2年間、広島に在籍した助っ人外国人ランスだ。毎打席、アッパースイングのマン振りで「三振かホームランか」と言われたランスは来日1年めで39本のホームランを放って本塁打王に輝く。
だが、打率は2割1分8厘で、規定打席に到達した選手のなかで最下位、三振も114とリーグワーストを記録。しかし、放ったヒット88安打のうち、45%の39本が本塁打という、まるで漫画のような印象に残る選手だった。
そんなランスの三振率は、NPB在籍時だけに限れば22%と、清原を上回る。ちなみに、この三振率22%は、10傑中9位のローズ(NPB在籍13年)と一緒だ。
そんなランスよりもすごいのが、NPB在籍8年で、3度の本塁打王に輝いたラルフ・ブライアント。
NPB史上、「三振数(1186)が出場試合数(773)を上回っている」唯一の選手であるブライアントは、1988~1995年の8年間で259本のホームランを放った一方で、1993年にはNPB記録となるシーズン204三振をマーク。この年に限れば、三振率は41%。8年間の通算での三振率も35%とダントツだ。
とはいえ、ランスもブライアントもファンに愛された選手であり、それくらい思い切りのいい選手は見ていて面白いのも確か。もちろん中村もしかりだ。
前人未踏の2000三振を記録した中村には、この先、まだまだ通算本塁打と三振数を増やしていってほしいものだ。
( SmartFLASH )