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中日ドラゴンズ、マルティネスへの記念ケーキに「亡命ダメ、ゼッタイ」の文字…「ジョークにしていい言葉じゃない」批判殺到
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.09 16:04 最終更新日:2023.05.09 16:13
5月6日の巨人戦で、通算100セーブを達成した中日ドラゴンズのライデル・マルティネス投手。7日には、選手たちから記念のケーキをもらう姿を中日新聞写真部がツイートしているが、このケーキにつづられた文言が物議を醸している。
中日新聞写真部のアカウントでは、《【ドラゴンズ】 NPB通算100セーブを達成したライデルと記念写真を撮る投手陣 特製ケーキがプレゼントされました》と、マルティネスをお祝いする様子がアップされた。
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それ自体は微笑ましい光景だったが、問題となっているのは、ケーキに書かれた「祝100セーブ!!亡命、ダメ、ゼッタイ」という文言だ。
マルティネスはキューバ出身。同じくキューバ出身で、中日ドラゴンズに在籍していたジャリエル・ロドリゲス投手が、WBCにキューバ代表で参加したのち、中日に戻らず失踪中となっている。
4月9日になって、全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ記者が、ロドリゲスがトレーニングをする様子をTwitterにアップし、《すでにドミニカ共和国でトレーニングしている。近い将来、大リーグに挑戦するつもりだ》とつづっている。
中日の加藤代表は「どこの、いつの映像なのかわからない」として、「統一契約書を交わしているので、現在は中日の保有選手」とコメントしている。
そんな経緯があっただけに、選手たちからジョーク混じりのメッセージとして「亡命、ダメ、ゼッタイ」という文言が入ったのだろう。だが、「亡命」はデリケートな問題だけに、SNSでは批判が殺到している。
《平和ボケここに極まれり。亡命とか難民とかジョークにして許される言葉じゃないんだよ。》
《「亡命、ダメ、ゼッタイ」日本人の人権意識の希薄さがどんどん露呈していきますね。》
《キューバ人にとって亡命は複雑な問題であるはず。まして野球選手の相次ぐ亡命にマルティネス選手の心境たるや。人の心をえぐるようなことをする》
「キューバ人の野球選手にとって、亡命は切実な問題です。社会主義国のキューバでは、プロ野球選手も国家公務員という扱いになります。
2013年9月以降、海外での活動が解禁されましたが、アメリカとは敵対しているため、より多くの報酬を求めてメジャーでプレイしたい場合は亡命するしかありません。彼らは命がけで海を渡り、活躍の場を求めていきます。
実際、キューバの代表選手だったレオネス・マーティンは、2010年にメキシコへ亡命。紆余曲折をへて、2019年から2022年まで千葉ロッテで活躍しました。
2017年にソフトバンクに派遣されたオスカー・コラスも、2020年にMLB入りを目指し亡命。現在中日ドラゴンズに所属しているダヤン・ビシエドも、2008年にいかだに乗って亡命し、MLBでの活躍を経て現在に至っています」(スポーツライター)
「亡命、ダメ、ゼッタイ」は、球団の仲間からすれば、自然な感情からきた言葉なのだろう。だが、その言葉選びに関して、首をひねる人が多かったようだ。
( SmartFLASH )