スポーツ
武尊が「7代目タイガーマスク」襲名 ファンもおぼろげな「歴代タイガー」史・カギは初代の「お墨つき」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.25 18:00 最終更新日:2023.05.25 18:00
元K-1の3階級制覇王者で格闘家の武尊(たける)が、5月24日、都内でおこなわれた「7代目タイガーマスクプロジェクト」記者発表会に参加。7代目タイガーマスクを襲名することを発表した。
6月24日にフランス・パリでのキックボクシングのタイトルマッチを控えている武尊だが、同プロジェクトは、武尊のプロレスデビューを意味するものではない。あくまで慈善活動をおこなうプロジェクト、とのことだ。
【関連記事:武尊が「パニック障害」「うつ病」を公表 格闘家人生無期限休養もネットであふれる「希望への感謝」】
古くから児童養護施設や福祉施設へのランドセルの寄付をはじめ、社会貢献活動をおこなってきた「初代タイガーマスク」佐山聡と、同じく施設への訪問などをおこなってきた武尊が共鳴。佐山は「この選手なら」と7代目の襲名を要請し、武尊がそれを受諾したことで、本プロジェクト誕生へとつながったという。
佐山とともに会場に現れた武尊は、プロレスが大好きな両親の影響で、幼いころから初代タイガーマスクの試合を観て育ったそうで、武尊が試合後に見せるコーナーポストからのバク宙は、初代タイガーマスクへのオマージュの意味を込めていたという。
会見の途中、佐山の横で、新しく自分用につくられたマスクを被った武尊は「すごいうれしい気持ちと、身が引き締まる気持ちです」と語り、佐山は「マスク姿が最高にきれいで、ビックリしました。そこにも素質があったんだなと思いました」とベタ褒め。武尊が恐縮する一幕も。
記者から、今後、マスクをかぶっての試合などのパフォーマンスをおこなう可能性を聞かれた武尊は、いまのところ予定はないとしながらも「それをやることによって、この7代目タイガーマスクプロジェクトがもっと広がっていくのであれば、考えたい」とした。
武尊の7代目タイガーマスク襲名が伝えられると、SNSには、
《タイガーステップ期待してます》
《虎のマスク凄く似合ってました。エキシビションでいいからプロレスデビューしてほしいなあ》
と、武尊への期待や応援の声が集まった一方で、ネット上には
《なんか5代目からは?って思う。伊達直人的なのはいいんだけど、タイガーマスクはプロレスラーなんだから。ってか、そもそもまだ4代目いるし!》
《ていうか6代目っていたっけ?》
《佐山→三沢までしか知りません》
など、7代目以前の歴代タイガーに対する疑問も多く溢れた。
「実際、かなりのプロレス通でも、6代目までをすんなり答えられる人は少ないのではないでしょうか。おそらく多くのファンに周知されているのは、初代・佐山聡さん、2代目・三沢光晴さん、3代目・金本浩二さん、そして現在も新日本に参戦している『4虎』こと4代目まででしょう。
そのほかにも、たとえば2016年10月に新日本のリングに突如登場した、『タイガーマスクW』(正体は飯伏幸太)や、佐山聡さん主宰の団体『ストロングスタイルプロレス』で2017年7月にデビューした、女子選手のタイガー・クイーンなどもいます。『W』は通算2試合しかおこなっていませんが、こちらは歴代タイガーマスクにカウントされるのか、という疑問を持つ人もいるようです」(格闘技担当記者)
プロレスや格闘技の情報配信を専門におこなうWEBサイト「カクトウログ」を参照すると、5代目は、ミノワマン(美濃和育久)が定説とされている模様。
5代目は、2010年にキックボクシングの興行でおこなわれた特別試合で、初代タイガーとのタッグマッチでデビュー。試合後、初代が「いま、プロレスは勢いがないけれど、5代目がきっとまた新たな波を起こしてくれる。これからのプロレス界を背負ってほしい」と公認コメントを残していることが、5代目=ミノワマンの根拠となっている。
となると、問題は6代目だが、こちらは2013年11月、ウエンツ瑛士の主演で劇場公開された映画『タイガーマスク』のなかに登場したタイガーマスクのことを指すとされている。
「2013年8月に開催された興行『KICK GUTS 2013 梶原一騎杯 ~真樹日佐夫 追悼興行~ 格闘技の祭典再び!』で、初代タイガーマスクのタッグマッチが組まれました。その際の会見で、初代が『6代目タイガーの中身は実績のある選手』と発言したのです。この発言により、『6代目』が正式な存在となりました。
そして、当日おこなわれた試合後に、映画の『タイガーマスク』と同じいでたちのタイガーマスクが、初代を救出すべく、リングに登場しました。これにより、映画に登場したタイガーマスクが6代目と受け取られるようになったのです。さらにその際、初代が『確信しました、絶対に(正体は)藤原敏男』とコメントを残したことから、6代目はキックボクシング界のレジェンド、藤原敏男だとされたのです」(格闘技ライター)
つまり5代目、6代目は、初代がお墨つきを与えたことで、“公式化”しているようだ。
「しかし、参戦も限定的ですから、ファンでも記憶がおぼろげな人が多いのもたしかです」(同前)
そんな歴史や背景を持つなかで誕生した、7代目タイガーマスク。現状で試合予定はないというものの、今後、武尊が見せるパフォーマンスに注目したい。
( SmartFLASH )