2017年夏の甲子園出場を逃したものの、卒業後の進路が注目を浴びる早稲田実業の清宮幸太郎(18)。アトランタ・ブレーブス国際スカウトの大屋博行氏は清宮をこう評する。
「2年前の夏、甲子園で見たときは正直『あれ、これは評判だけか』と思いました。打撃も守備も動きがイマイチ。 それが今年のセンバツでは驚きました。打球の音が以前とはまったく違う。ボールが潰れる『グニュッ!』という音がはっきり聞こえました。中田翔もその音はしましたが、それよりも上の『グニュッ!』です。もちろんまだ物足りない面はありますが、あの素質は本物。教えてできるものではないんです」
スカウトは選手のどこを見ているのだろうか。
「私が見るのは “伸びしろ”。今の高校野球は科学的なトレーニングとプロテインの影響が顕著です。そのなかで仕上がり切っている選手とまだ体が出来上がっていない選手を見極めるんです。プロ向きかどうかは性格的な面も大きい。高校出てすぐにプロのレベルには行けない。そこでどこまで上を向いてやれるか、ですね」
1981年の甲子園で報徳学園のエースとして優勝し、その後プロ野球で活躍した野球解説者の金村義明(53)がこう話す。
「甲子園のスターがプロで活躍できるかどうか。いい指導者に出会えるか、チーム環境が合うか、そして怪我するかしないか。運によるところが大きい。
でもやっぱり気持ちじゃないですか。強い気持ちはプロで絶対に必要不可欠です。清宮くんの素質はすごいですよ。もう少し動きにしなやかさが欲しいけどね。もしプロに行くなら伸び伸びとやらせてくれるチームがいい。僕としては大学進学よりすぐにプロで見たいですね」
(週刊FLASH 2017年8月8日号)