普通なら日本中の注目を浴びていてもおかしくはないはずだが……。
MLB・レッドソックスの吉田正尚(まさたか)外野手が7月23日(日本時間)、本拠地でおこなわれたメッツ戦に出場。4打数3安打1打点の活躍を見せ、ア・リーグ首位打者に躍り出た。
翌24日の試合で2位に後退してしまったが、それでも打率はトップとわずか2厘差。
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目下、日本メディアの関心は、ホームラン王争いを独走中のエンゼルス・大谷翔平に集中。しかし、気がつけばメジャー1年めにして、吉田も首位打者が手の届く位置につけている。
規定打席に到達すれば、吉田の打率を大きく上回る選手もいるため、タイトルを取るのは簡単ではなさそうだが、活躍を喜ぶファンからは、こんな声も……。
《大谷がいなかったら、日々のMLB日本人選手のニュースは吉田一色だったろうな…》
《大谷に隠れているけど吉田も化け物よな》
吉田といえば、「不運エピソード」は枚挙に暇がない選手でもある。スポーツライターが解説する。
「記憶に新しいところでは、侍ジャパンを優勝に導いたWBCでのこと。準決勝では値千金の同点弾を放つも、中継スタッフのカメラがボールを見失い、スタンドインする瞬間をとらえることができませんでした。決勝では、優勝した瞬間にベンチから飛び出すも、ズッコケて出遅れてしまい、胴上げの輪の中心に入れず……」
不運は、メジャーのシーズンが始まっても継続。
「初ホームランの記念ボールは、スタンドでゲットしたファンが返却を拒否し、手元に戻ってきませんでした。また初失策は、外野フライをキャッチした吉田が中継の内野手に送球するも、なぜか見送られてしまい、自分のミスになってしまったものでした。さらに、ボテボテのゴロで激走して内野安打と思われた矢先、1塁への送球が吉田の背中に当たり、守備妨害でアウトになったことも……」(同前)
もっとも、大谷にばかりスポットライトが当たり、伸び伸びできる状況こそが、吉田にとって意外と「幸運」なのかもしれない。
( SmartFLASH )