開幕が控える「夏の甲子園」は、広陵の真鍋慧(けいた)内野手ら、プロも注目する“高校四天王”が続々と集結した。その一方、夢の舞台を目指す「二世選手」の姿も目立っていた。
連日、次男・勝児のために球場に駆けつけた清原和博氏ら、スタンドから熱視線を送る名選手も多かったが……。
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「“鷹”が鷹を生むのは難しいようで……有名選手たちの子息でも、ほとんどの選手はドラフト指名すら厳しいのが現実です」(スポーツ紙記者)
そんななか、元専門誌編集部員で、野球ライターのキビタキビオ氏が最高評価する“二世”は、東邦の山北一颯(かずさ)投手だ。
父・茂利氏はサイドスロー気味に最速150km/hを投げ込む191cm左腕で、「和製ランディ・ジョンソン」の異名があった。
「一颯選手は右腕ですが、189cmの高身長で、しっかりとお父さんから受け継いでいます。即座にドラフト上位指名は難しいかもしれませんが、大学などで大化けする可能性を秘めています」(キビタ氏)
名門校で主軸をまかされているプロ二世たちだが、親が一流選手よりも“そこそこの選手”のほうが、将来有望なのかも。
地方大会で活躍! プロ二世たち「本当の評判」
●清原勝児(神奈川・慶應) ※甲子園出場
父・清原和博(大阪・PL学園、元西武ほか)
センバツに続いて甲子園へ。「パワフルなスイングは父譲りを感じさせます」(キビタ氏)、「父は『立浪和義タイプの好打者』と評しています」(スポーツ紙記者)。留年のため2年生だが、規定により今回が最後の夏になる
●山北一颯(愛知・東邦)
父・山北茂利(岐阜・中京商、元中日ほか)
父はリリーフでプロ通算208試合登板。「最速145km/hのストレートだけではなく、スライダーも武器。人を食ったようなスローカーブを投げる度胸もある」(キビタ氏)。春のセンバツでも登板したが、愛知県大会は4回戦で敗れた
●三井雄心(埼玉・浦和学院) ※甲子園出場
父・三井浩二(北海道・足寄、元西武)
プロで先発、リリーフと投手でフル回転した父に対して、息子はスラッガーとして甲子園へ。「体格がよくパワーと勝負強さがある。広い甲子園でそれを見せつけられるかをプロのスカウトも注目しています」(スポーツ紙記者)
●谷 佳亮(よしあき)(千葉・東京学館浦安)
父・谷 佳知(香川・尽誠学園、元オリックスほか)
母・亮子さんの目の前で2戦連続本塁打も見せたが、千葉県大会5回戦で敗退。「もともとアイスホッケー選手で、野球は高校から。さすがの身体能力ですが、プロ入りはまだまだ難しいでしょう」(スポーツ紙記者)
●小野勝利(埼玉・花咲徳栄)
父・小野 剛(神奈川・桐蔭学園、元巨人ほか)
1年夏に甲子園出場した神奈川・横浜高校を退学し、花咲徳栄に編入したパワーヒッター。埼玉県大会決勝で浦和学院に敗れた。「ダイナミックな間の取り方は、近鉄などで活躍した石井浩郎選手を彷彿とさせます」(キビタ氏)
●大西遼多(愛知・中京大中京)
父・大西崇之(鹿児島・鹿児島商工、元中日ほか)
名門の四番打者なうえに愛知県大会では投手としても登板。「スパルタな父に似たように俊足巧打タイプのバッター。おもしろい選手だけに、下位で指名する球団ならあるかもしれません」(スポーツ紙記者)。愛知県大会は準優勝