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「新幹線の廃アルミを利用」少年用金属バットが大人気! 大人向けも作る? JR東海に聞いた
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.08.03 06:00 最終更新日:2023.08.03 06:00
8月1日に発表された、JR東海とミズノが共同開発した「金属バット」が話題となっている。
この金属バットは、東海道新幹線の廃車両から出たアルミ部品を再利用して作られている。おもにN700系の車両をリサイクルしたもので、シルバー×ブルーのほか、東海道新幹線をイメージしたホワイト×ブルー、子どもに人気が高い検査用車両「ドクターイエロー」を再現したイエローの3色。バットは少年軟式用で、8月1日から予約を開始し、「鉄道の日」の10月14日に発売する。1400本限定だが、2色は即、完売という人気ぶりだ。ミズノが、再生アルミ製のバットを販売するのは初めてという。
新幹線のアルミは高品質とされ、JR東海はこれまでも、廃車両のアルミを精製し、建物の装飾などに再利用してきた。今回は、マグネシウムや亜鉛などの配合を工夫し、従来のバットと同じ耐久性を実現。新幹線由来の原料は約95%で、リサイクルの結果、アルミを新たに製造した場合に比べ、CO2排出量を97%削減できたという。
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このことに、SNSでは好意的な声が多くあがった。
《鉄道好きな少年たちにはたまらんやろなあ》
《これ、友達の子供に買おうかなw》
《大人用も発売してくれよ》
《使い道ないのにちょっと欲しいwww》
バット開発に携わったJR東海の東京広報室に、開発の意図を聞いた。
――そもそもの開発のきっかけは?
「JR東海の事業推進本部にいる元野球部員と、再生アルミを扱っているジェイアール東海商事の社員の2人が、お酒の席で『新幹線の再生アルミでバットを作りたい』と、盛り上がったのがきっかけです。ジェイアール東海商事の社員が、ミズノさんと個人的なつき合いがあり、話を持っていったところ、本当に実現したのです」
――年間でどれだけの再生アルミが生じるものでしょう?
「N700系の廃車は年間、7編成程度あり、そこから400tほどの再生アルミが取れます。新幹線の再生アルミで、すでに活用されている例として、『THE BODY SHOP』の什器・装飾材や、相鉄・東急新横浜線の新横浜駅の待合室『Shin-Yoko Gateway Spot』の装飾材、在来線の駅舎の建設部材、ネクタイピン、スプーンなどの雑貨、それからJR東海の社員名札などがあります。現在は、塗装や付属物が少ない、車両の屋根の部分などをメインに再生しています」
――反響は? 大人用の発売は?
「8月1日のリリース後、シルバーとイエローは予約が完売となり、現在はホワイトのみ在庫ありの状況です。まずは小学校低学年向けの商品化となりますが、今後、軟式大人用やソフト用、硬式用など、ラインナップを増やしていけるよう、ミズノさんが検討していくと聞いています」
野球ファン、鉄道ファンの両方の心にヒットを打ち込んだようだ。
( SmartFLASH )