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ラグビー日本代表の素顔 “スクラム力”世界トップクラス具智元は「女子人気急上昇」で替え玉10回の大食漢
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.17 06:00 最終更新日:2023.09.17 09:29
悲願のW杯ベスト4以上に向け、チリ戦では6トライを挙げてボーナスポイントを得るなど、幸先のいいスタートを切った“ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士)”。
9月18日(日本時間)には、W杯優勝1回のイングランド戦が待ち受けている。そこで今回、大一番で活躍が期待される代表戦士たちの知られざる素顔を、スポーツジャーナリストの斉藤健仁氏に語ってもらった。
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近年、進化し続ける日本のスクラムで、中心的役割を担うのがプロップの具智元(29・グ・ジウオン)。
「父親は韓国代表選手でしたが、彼は2019年に日本国籍を取得。笑うと目がほとんど一直線になって『かわいい』と、女性人気も急上昇中です。近年、首の痛みに悩まされていましたが、ようやく復調。スクラムからの押しの強さは、世界トップクラスです。また大食漢としても有名で、ラーメン店では替え玉を10回して、スープがなくなってしまったことも。練習がきついことで有名な代表合宿では、練習の合間にウォーターブレイクを挟むんですが、スイカなど果物が振る舞われることもあります。その際、ほとんどの選手が1、2個食べるんですが、具は10個もほお張っていました(笑)」
チリ戦では6回あったコンバージョンキックの場面ですべて決めたのがスタンドオフの松田力也(29)だ。
「伏見工(京都)時代は“平尾二世”と呼ばれるなど、早くから期待されたオールラウンダーです。父・大輔さんは小学校のときに他界。成長した姿を最愛の人に届けるためにも、今大会に懸ける思いは強いはずです。引退後は体育教師志望で、帝京大時代に教員資格免許も取得済みです」
素早い球出しでリズムを作るのが、スクラムハーフの流大(31・ながれゆたか)。前回大会は5試合すべてで先発出場し、初のベスト8に貢献した。
「自身『最後』と決め、今大会に挑みます。リーダーシップにも優れ、ランニングではつねに先頭に立って声を出しまくっています。その姿勢をジョセフHC以下、コーチ陣も絶賛。また無類のゴルフ好きで、大会直前の9月4日の誕生日には、報道陣からゴルフボールをプレゼントされました。三兄弟の三男なんですが、4歳年上の次男・大輔氏は、四国アイランドリーグのプロ野球選手でした」
代表キャップ数2ながら、接点、タックルの強さを買われて、チリ戦の先発に抜擢されたのがフランカーの下川甲嗣(24・しもかわかんじ)。見事、その期待に応えて勝利に貢献した。
「父親や7つ年上で慶大出身の兄がラグビーをやっていたこともあり、4歳から強制的にラグビーを始めさせられたそうです。福岡県出身で、好きなプロ野球チームは福岡ソフトバンク。コロナ禍ではウクレレにはまり、社会人になってからゴルフを始めました」
チリ戦では持ち味の低く鋭いタックルだけでなく、相手を突き放すトライを決めたのが、センターの中村亮土(32)。
「前回大会は、代えの効かない選手として活躍しましたが、その後は怪我に苦しみ、今回はぎりぎりの選出となりました。目標は『世界一のセンターになること』。プロ選手としての活動の傍ら、プロテインをプロデュースする会社を立ち上げ、鹿児島県曽於市の観光PR大使を務めています」
チリ戦は不出場ながら、明るい性格でチームのムードメーカーとなっているのが、プロップの垣永真之介(31)だ。
「6歳のころ、すでに体重が40キロあったため、ダイエット目的で草ケ江ヤングラガーズで競技を始めたんですが、小6時では90キロに達したそうです。FW陣では唯一の社員選手。ふだんはサントリーで、酒の販売に携わっています。自ら『僕はイケメン』と言って笑わすなど、彼のまわりにはいつも笑いが絶えません。バイク好きとしても有名で、愛車はハーレー・ダビッドソンです」
大会前までキャプテンを務めていたのが、フッカーの坂手淳史(30)。
「実業団のバレー選手だった父の影響から、小学校まではバレーに打ち込んでいました。非常に真面目で強いリーダーシップを持った選手。キャプテンを務めたことで、報道陣へのコメントもうまくなりました。非常に義理堅い男で、地元・京都に帰れば、必ずといっていいほど母校の京都成章高の指導に行くそうです。コーヒー好きで有名でもあります」
グラウンド上の荒々しさだけでなく、素顔の“桜の戦士”を知れば知るほど、応援にも熱が入る。