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内柴正人「獄中からの手紙」打倒グレイシー復帰計画

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2017.09.14 06:00 最終更新日:2017.09.14 06:00

内柴正人「獄中からの手紙」打倒グレイシー復帰計画

 

柔道部が生きがいとなる職場を作って下さい>
<私に柔術、レスリング等で戦うチャンスをください>

 

 柔道に対する熱い思いと、一方で自身の戦いへの思いにあふれた一枚の手紙。アテネと北京の五輪で、柔道66kg級を2連覇した金メダリストの内柴正人受刑者(39)が獄中で綴ったものだ。

 

 指導していた大学の女子柔道部員に合宿先のホテルで乱暴したとして、準強姦罪で内柴が逮捕されたのは2011年12月のこと。最高裁が2014年4月に、無罪を主張していた内柴の上告棄却を決定し、懲役5年が確定した。現在も服役中の身である。

 

 内柴が出所後に、雇用の引受人になるのは、実業家の光成英一朗氏だ。獄中からの手紙は光成氏に宛てて出され、本誌が初めて公開する。光成氏はこれまでに15回以上の面会と、手紙でのやり取りをしてきた。

 

「私も逮捕された経験があるので、正人さんとは一緒に戦っていけると思ったのがスタートでした」(光成氏)

 

 手紙は計20通以上にも及んだ。

 

<(逮捕されてから)6年間、私は柔道のことばかり考えていた。私は、この処分(永久追放)をありがたく受けます。この先、反省をして、生きていく中で、今回の失敗を、過去のタイトルでぬぐうつもりはない。新しく生み出して、正しく生きるから>

 

 柔道界への未練を断ち切って前を向こうとする。しかし、違う手紙では、

 

<支援してくれると聞いて、どう考えても、柔道部を作るようにお願いしてしまう。今、我が人生に困る状況においても、他人の人生を、応援する器を先に作ろうとしている。永久追放なのに>

 

 と、柔道部創設への思いを明かす。9歳から打ち込んだ競技への断ちがたい思いがにじんでいる。

 

 そして内柴には、なんとかアスリートとして復活したいという思いもあった。

 

<柔道では永久追放なので、柔術で勝負します。柔術専門の方々、どうぞ、私を潰してください。歳も39だし、ブランク6年以上。潰す価値もありませんが、お願いします>

 

 内柴の柔術に対する思いを打ち明けられた人がいる。総合格闘技「REAL FIGHT CHAMPIONSHIP」を主宰する山田重孝氏だ。内柴と面会したときのことを、山田氏が語った。

 

「内柴さんと話してみて、応援したいという思いになりました。出所後、年内にまず柔術のアマチュア大会に出てもらおうと思っています。現状はまだ試合ができるレベルではないですが、体づくりのベースはできているので、アマで負けることはないでしょう」

 

 山田氏は、内柴をいずれREALの本大会にも出場させたい、と考えている。さらに続けた。

 

「これはあくまで夢ですが、元格闘家ヒクソン・グレイシーの次男のクロン・グレイシー(29)と内柴さんの対戦を実現させたい。世間には内柴さんの復帰を認めない人もいるかもしれませんが、頑張る姿を見せることは大事です」

 

 内柴の刑期は、2017年12月に満期を迎える。仮釈放が認められれば、それより前に出所できそうだという。

 

「事件については、社会や柔道界に対して迷惑をかけて申し訳なかったという思いで、償いを続けている気持ちです。正人さんは非常に受刑態度がよく、工場の仕事もきっちりやっていて、Aランクの評価なんです」(光成氏)

 

 光成氏は自社の子会社を立ち上げて内柴を雇用し、社内に柔道の実業団チームも創設する予定だという。

 

「以前の正人さんは、出所後の見通しが立たず自暴自棄になることもあった。でも今ははっきり目標と受け皿が決まり、体も引き締まってきた」(同)

 

 事件をめぐっては、被害者の女性が大学を運営する学校法人に対し、損害賠償を求める訴訟が現在も続いている。内柴の反省が本物かどうかを証明するには、格闘技のリングで戦う姿を見せる以外にはない。

 

(週刊FLASH 2017年9月5日号)

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