10月12日、日本バスケットボール協会の男子代表強化検討委員会が会見を開いた。男子日本代表への招集について「基本的に拒否権はない」と宣言し、バスケファンからは批判が殺到している。
東京五輪後に代表引退を表明した田中大貴のような選手について、Bリーグチェアマンの島田慎二委員長は「基本的にはそういう概念はないと考えている」と語った。
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「そういうこと(代表引退)を言う選手はいますが、言ったとしても、基本的には(代表活動へ)来なければいけません」というのだ。
理由の正当性の有無に関係なく、代表活動期間中は所属クラブでの公式戦出場を認めないとしており、正当な理由なく辞退した場合には3試合の出場停止処分を科すという。海外組は含まれず、国内組のみに適応されるとも。これで、代表参加への強制力が高まった形となる。
協会側のあまりに強硬な姿勢に、ネット上では非難の声が続々と寄せられた。
《個別に選手と信頼関係を重ね話し合うべき事案であり、ルールとして一方的に上から決めるのは如何なものか。こういうルールで無理やり縛って選んでも、モチベーションが上がるとは到底思えない。》
《この協会の発言ですが、凄く閉塞感を感じました。選択の自由が無いなんて、選手にとって不利益になりませんか?それよりも後輩と若手指導育成の強化、システマチックな組織運営が先のように思いました。今からそれらをやって行くんですと言うのなら、もはやシーラカンスなのではないでしょうか。》
《これはムチャクチャだろう。周囲が評価しても自分では「コンディション的に代表では最高のプレーはできない」という判断はあり得る。代表に縛るのではなく代表でプレーしたいと思えるようにすべきだし、アスリートの引き際は本人が決めるべき。それもアスリートファーストでしょう。》
「9月には、バスケ日本男子が48年ぶりに自力で五輪への出場を決め、バスケ界は勢いづいています。しかし、今回のルール発表は、盛り上がりに水を差す形となってしまいました。強制力が上がれば、よりベストなメンバーでチームを組めるようになりますが、選手それぞれに目指すキャリアがあるでしょうし、スケジュールや金銭面の問題もあるでしょう。
現在NBAにいる八村塁選手がW杯を辞退した際は賛否あったものの、《キャリアを優先して》と応援する声が圧倒的に多かった。それだけに、選手たちに圧力をかけるような協会の言い分には、拒否反応が続出しています」(週刊誌記者)
選手たちからも、不満や戸惑いの声があがっている。NBAのフェニックス・サンズ所属の渡邊雄太は、自身のSNSで言及している。2023年夏のW杯開幕前、渡邉は、パリ五輪出場権を逃した場合、代表ユニフォームを脱ぐと宣言していた。
《明らかにだいきさんじゃなくれ俺に対して言ってるようなきがするけど、国内選手限定ってどゆこと。Bリーガーも必死で自分たちのシーズンやってる中で代表として海外試合に出てくれてるのに。さっき起きて、時差でまだ中の人たちと連絡とれてないんで真偽は不明》
その他、アルティーリ千葉所属の岡田優介も、SNSでこう語っている。
《個人的には、日の丸を背負いたい意志のある選手だけでやるべきと思う。選手報酬が高騰しているからこそ待遇の話ではなく、真逆かな。今のバスケ界なら代表に選ばれれば名誉も収入も副収入も勝手に上がる。やりたくなければやらなきゃいい。 大きな富を得た起業家だってまずは稼ぎ、その後に社会的意義のある活動へシフトしていくという順番が一般的。稼いだ選手は業界に還元すべき社会的使命があると思う。これって古くさい考え方ですかねぇ》
代表活動には、選手たちに多大なプレッシャーと負担がかかる。強制招集・罰則制度で、はたしてモチベーションは上がるのだろうか。
( SmartFLASH )