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高卒ドラフト1位選手「ソフトバンク決定」に「微妙な顔」でSNS騒然…語り草“オリックス辻内”の悲劇と先輩後輩の縁
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.27 15:55 最終更新日:2023.10.27 18:13
10月26日におこなわれた、プロ野球のドラフト会議。2023年は投手を中心に“豊作年”との前評判だったが、蓋を開けてみると、1巡目指名で12球団中10球団が抽選に臨むこととなった。
各球団のファンが手に汗を握り、見守った瞬間だったが、SNS上ではある選手の表情に騒然とした。
《前田くん顔ひきつってない?》
《あれ、前田くん微妙な顔…》
《前田くん嫌そうな顔してるように見えたけど…どうなんやろ?》
《あーもう前田くんの顔が暗いよ、もう。ごめんよう》
《前田くん表情固まっとるやん》
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X(旧Twitter)で多く投稿された「前田くん」とは、1度めの抽選を外した3球団による競合の末に、福岡ソフトバンクホークスが1位指名で交渉権を獲得した、大阪桐蔭高校の前田悠伍(ゆうご)投手のことだ。
ソフトバンクは、今季は3位にとどまったが、2017年から2020年にかけて4年連続日本一を成し遂げた強豪球団。読売ジャイアンツに並ぶ「選手の年俸総額」を誇っており、待遇面でも優れた球団として知られている。マイナス面はないように思えるが……。
交渉権獲得が決まった瞬間、拳を突き上げて喜んだ、ソフトバンクの小久保裕紀監督とは対照的に、TBS系の中継番組のカメラがとらえていた前田は、怒りとも悲しみとも取れる表情を見せたのだ。
「たしかに、ソフトバンクは人気や待遇でほかの球団よりも優れている面が多いとは思います。ただ、強すぎる半面、懸念点もあるのは間違いありません。
ドラフト会議の直前に、戦力外通告がおこなわれていましたが、ソフトバンクは2015年ドラフト1位の高橋純平投手と、2019年ドラフト1位の佐藤直樹外野手に、来季の契約を結ばないことを通告。これで、過去10年のドラフト1位で、4人が戦力外になっていると話題になっていたのです。
FA選手や外国人選手の獲得も積極的におこなう球団なだけに、選手としても、ソフトバンクから指名を複雑に思う部分があっても仕方ないでしょう」(プロ野球担当記者)
ドラフト会議で指名された選手の表情は、あるときから大きく注目されるようになってしまった。
それは、2005年のドラフト会議でのことだ。当時、超高校級投手として注目されていた辻内崇伸投手(2013年引退)が、巨人とオリックス・バファローズから1位指名され、2球団による抽選となった。
クジを引いた当初、オリックスが交渉権を獲得したと伝えられると、辻内はかなり強張った表情でオリックスの印象を語り、何度も額の汗を拭う様子が、テレビ中継などで伝えられてしまった。
しかし、その数分後にクジを引いた監督らの勘違いで、じつは巨人が交渉権を獲得していたことが判明。すると、辻内の表情はみるみるうちに笑顔に変わっていったことが語り草となっている。
「偶然にも辻内選手は、前田選手にとって大阪桐蔭高校の大先輩なんですよ。そのため、同じ高校で悲劇が繰り返されてしまったか、と心配されていたんです。
しかし、前田選手はドラフト会議が一段落した後の記者会見で、無表情について『喜んだり、悲しんだりすると(指名がない選手に対して)申し訳ない。試合と同じ気持ちで、表情を出さなかった』と、真意を明かしていたんです。
登板時もポーカーフェイスで知られている前田選手の、非常に大人な対応でした。そのぶん、モロに表情に出してしまったことによる“過去の悲劇”が、いっそう際立ってしまいますが……」(前出・プロ野球担当記者)
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