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イボミ「逆転賞金女王」への秘策はダーツにビリヤード
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2017.09.27 06:00 最終更新日:2017.09.27 12:45
「去年のボミプロに勝てるスコアを目標にしよう!」
これがイ・ボミ(29)を280日ぶりの優勝に導いた、清水重憲キャディ(43)の魔法の言葉だった。
「最終日で優勝争いをしているときは、スタートした後に、ボミプロに『今日の目標はどうしますか?』と質問されるんです。でも『CATレディース』は、久しぶりの優勝争いだったので用意していなくて。ぱっと浮かんだその言葉が、うまくハマったようです」
今季初優勝までの道のりは、ボミにとっても清水キャディにとっても、困難の連続だった。
「5月、6月がいちばん厳しかった。5月末の『リゾートトラスト』の試合後、関西空港まで送った車内では、ずっと泣いていました。彼女がゴルフのことで泣いたのは初めて。試合中はメンタルがダウンして辛い……となってしまうことが多かったので、ゴルフ以外の話をして、気が紛れるように心がけたりしていましたね」
清水キャディも、今季は優勝できないんじゃないかと焦りが出てきた8月。ボミは劇的な進化を遂げる。
「『meijiカップ』の試合会場である北海道で、韓国に帰っていたボミプロと合流したんですが、気持ちが前向きでメンタルがすごくよくなっていたんです。
試合は予選落ちでしたが、これまでと違って明るかった。
その夜、ホテルのスポーツバーで軽くお酒を飲みながら、ダーツやビリヤードを楽しんで、翌日はコースの練習場で2時間ほど打ち込みました。ファンの方が40〜50人ほど練習場に見に来てくれたのも、力になったんだと思います」
もうひとつは、女子ゴルフ界のレジェンド、樋口久子氏(71)の指導だった。
「『meiji』『NEC』と、プロアマで2週連続樋口さんと一緒になりました。樋口さんから『どこが調子悪いの?』と聞かれたボミプロは、自分の調子が悪い部分を細く説明したんですね。
すると樋口さんが正面に立って、すべてのショットをチェックしてくれたんです。僕が見ていても、劇的によくなったのがわかりました。
メンタル面の向上、樋口さんの教え、相性のいいコースだったこと。この3つが重なり、優勝に繫がったんだと思います」
8月24日からは、1年ぶりとなる韓国ツアーに出場。3位タイの好成績でフィニッシュし、自身2度めとなるホールインワンも達成した。
「日本ツアーと違い、賞金ランクなどの数字と関係がないので、リラックスして楽しくゴルフができていましたね。最終日終了後は、ボミプロの家族、韓国のファン40〜50人と一緒に、焼き肉を食べて楽しく過ごしました」
今後の目標は「日本女子オープン」(9月28日〜)のメジャー大会、ホステスプロを務める「マスターズGC」(10月19日〜)で優勝することと話す。
「本来ボミプロは、8月以降に調子が上がってくるスロースターターでもあるんです。メンタルが強くなったボミプロと戦える後半戦が楽しみです」
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(週刊FLASH 2017年9月19日号)