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G阿部新監督に最初の試練 電撃トレード、ドラフトで投手次々獲得も埋まらぬローテの「スカスカぶり」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.10 22:00 最終更新日:2023.11.10 22:00

G阿部新監督に最初の試練 電撃トレード、ドラフトで投手次々獲得も埋まらぬローテの「スカスカぶり」

阿部新監督(左)とドラフト1位の西舘勇陽投手

 

 まさに電光石火の早業だった。読売巨人軍の阿部慎之助新監督は、11月6日から8日にかけ、異例の速さで2組のトレードを成立させたのだ。

 

 まず6日には、ウォーカー外野手と、ソフトバンクの高橋礼投手と泉圭輔投手の1対2のトレードを発表。2日後の8日には、オリックスの近藤大亮投手を金銭トレードで獲得した。

 

 わずか3日で3投手もかき集めた理由は何か。2年連続Bクラスに沈んだ巨人の今季のチーム防御率は、リーグ5位の3.39で、救援防御率に至っては同ワーストの3.81。チームの建て直しには、まさに投手陣の整備が急務だったのだ。

 

 

 阿部新監督は、ドラフトでも一貫した戦略を取った。1位で中大の西舘勇陽(ゆうひ)投手を競合の末、獲得すると、2位から5位まですべて、社会人選手の交渉権を得た。そのうち2名が投手。支配下選手として指名した高校生はひとりもおらず、あくまで即戦力にこだわった姿勢が見て取れる。

 

 この徹底した方針から、「阿部新監督の色が出た補強」と言いたくなるが、長年、巨人担当を務める記者は「苦肉の策でもある」と語る。

 

「来季に向けて投手陣の強化が不可欠であるのは間違っていません。ただ、トレードで獲得した3人は、近年、大活躍したとはいえません。ましてドラフトで指名した投手は、社会人とはいえ、どうなるか見えない。巨人がブルペン陣で本当にほしかったのは楽天の松井裕樹でしたが、海外FAにほぼ決まりです。要するに、本当にほしい選手はまだ獲得できておらず、“応急処置”に留まっています」

 

 さらに、「本当に深刻なのは、先発陣の駒不足」と続ける。

 

「巨人は2022年シーズンに、プロ初勝利をあげた投手が8人と、史上初の快挙となりました。だから今季は、投手王国への足がかりと期待されました。ところが、その8人のうちひとり立ちしたのは、10勝をあげた山崎伊織ただひとり。巨人のローテーションは、エースに成長した戸郷翔征、山崎、そして次の名前が出てこないんです。菅野智之にはかつての力はありません。今季獲得した外国人投手も期待外れ。ではFAで、となりますが、10勝以上が期待できる大物はいない。来季に向けてローテーションは、スカスカの状態なんです」

 

 日本シリーズが終わり、各チームの補強は佳境を迎える。果たして開幕までに、巨人は陣容を整えられるか。阿部新監督に最初の試練が訪れている。

( SmartFLASH )

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