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バトントワリング「エース指導者」が起こした「性加害」…被害生徒をいまも苦しめるチームと協会の “二重の裏切り”

スポーツ 投稿日:2024.01.21 06:00FLASH編集部

バトントワリング「エース指導者」が起こした「性加害」…被害生徒をいまも苦しめるチームと協会の “二重の裏切り”

選手として大会に出ることもあったという小城桂馬氏(「GENESIS」インスタグラムより)

 

《前理事長を1年、チームの責任者を6か月の会員資格停止処分》(「読売新聞オンライン」2023年12月29日付より)

 

 あるバトントワリングチーム内で性加害行為があったとし、2023年12月30日、「一般社団法人日本バトン協会(以下・協会)」が発表した処分だ。報道によると、加害者はチームの指導者だが、事件以降、海外に “逃亡” しており、連絡がつかないため、処分できなかったという。

 

 

 年越しとともに、解決を迎えたかに見えるこの性加害事件。しかし、あるバトン関係者は、「解決などではない。状況は何も変わっていません」と強く訴える。

 

バトン協会は「うちでは対応できません……」

 

被害があったのは、2023年の2月から3月にかけて、複数回だと聞いています。国内でも有数のバトントワリングチーム『GENESIS』の指導者だった小城(こじょう)桂馬氏が、チームの生徒を自宅に呼び出し、性加害をおこなったのです。

 

 被害生徒はショックを受け、控えていた大会への出場を辞退しました。当初は精神的なショックで、頭痛やめまい、発疹に悩まされたそうです」(前出のバトン関係者、以下同)

 

『GENESIS』は、国内大会での複数回の優勝のみならず、世界大会へも毎年のように出場し、金メダルをいくつも獲得してきた。この関係者は「バトントワリング界の頂点に立つチーム」だと言う。そして、そこで講師を務める小城氏もまた、立命館大学時代には「バトントワリング部の星」と呼ばれるほどの実力者だった。

 

「被害を受けたわが子の様子を見て、ご両親は心を痛めていました。『つらい思い出を消すためか、夜中に急にランニングに出かけたりするんです……』と当時、話していましたから。

 

 ご両親は、この事件をチーム内で公表して謝罪することと、小城氏がチームから離れることを『GENESIS』に要求していました。子どもがチームに戻り、またバトンを続けられるようにするためです」

 

 しかし、両親の要求どおりにはならなかった。当初、『GENESIS』の責任者で創設者の稲垣正司氏は、被害生徒が大会を辞退したのは「メンタルの不調」だと説明していたのだ。そして4月初頭、小城氏は謝罪もなく、チームを退会する。

 

「ご両親が小城氏の退会を知ったのは、それから約1カ月後のことだったといいます。しかも、同時期にご両親は、協会からも稲垣氏からも対応を拒否されているんです。

 

 一向に謝罪や事件の公表をする気配がない『GENESIS』に対して、ご両親は稲垣氏に『その後どうなっていますか』と連絡を取ったそうですが、1週間、返信もなく、無視されていたといいます。

 

 そこで、今度は協会の理事長に電話したのですが……。『小城はもうやめた人間なので、その件は協会も対応できません』と冷たくあしらわれてしまったのです」

 

 稲垣氏から連絡が返ってこず、協会にも対応を断られてしまった両親は、4月末に練習場へ足を運び、稲垣氏に直接、詰め寄った。

 

「両親の訴えは悲痛なものでした。子どもが性加害を受けたうえ、加害者は突然、姿をくらませてしまった。それに対して責任を取るべきチームの責任者も、協会の理事長も、何の対応もしようとしないのですから。

 

 しかし、そのご両親の訴えを受けた稲垣氏は、協会とまったく同じく『小城はやめた人間なので、何も対応できません』とあしらいました。

 

 事件があった当初、稲垣氏は被害者宅に足しげく通っていたといいますが、それも被害生徒が大会に出場できないとわかると、ぱたりとやんだそうです。

 

 協会と稲垣氏が同じセリフでご両親を拒絶するのを見ると、口裏をあわせて隠蔽しているようにしか思えませんでした」

( SmartFLASH )

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